Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

GO TO トラベル おかわりはヘンだぞ

コロナ疲れもあったのか、GO TO トラベルは好調らしい。

で、補助金も当初予算を使い切り、本日の報道によると、追加予算が投じられるようだ。

 

私は、率直にいってこの「おかわり」はおかしい、と思う。

なぜかというと、GO TO トラベルの予算を組むときに「これだけの予算を投入して、これだけの需要を喚起しよう」という計画があったはずだからである。

で、予算を使い切った。

つまり「当初計画どおりの、需要の喚起に成功した」

たいへん、結構である。

じゃあ「おかわり」の理由って、何よ?

え?要望が多いから?

バカいってんじゃねえ。要望はみんな多いんだよ。

医療も、介護も、エンタメも、育児も、あっちもこっちも大変だ。

なんでトラベルだけ、簡単に「おかわり」なのか。

言っちゃあ悪いが、単に菅さんニ階さんが旅行業界に近いから、便宜をはかってばらまいているようにしか見えないのだが。

私のヒガミだろうかね(苦笑)

 

特にエンタメなんて、あの海老蔵さんですら「きつい」と言っている。

じゃあ、其他の大道具や小道具、衣装さんなんかはどうだろう?

テレビに出る人は良いけど、舞台やコンサートの人はどうだろう?

ほんとに死ぬような思いをしておられるんじゃないかと思う。

不要不急だといって、パチンコと同じ扱いで良いのかな、と思う。まあパチンコは不要不急でも仕方がないが(偏見)。

 

予算があって、使い切ったらとりあえず目的達成したはず、である。

「次」に向かうのが当然ではないか、と思うのですな。

小説 琉球処分

「小説 琉球処分」大城立裕。

著者は沖縄出身で芥川賞受賞作家でもある。
本書は上下二冊の長編だが、やはり沖縄の人でなければかけない作品であろう。

もともと琉球国は独立王国だったのであるが、日清両属という摩訶不思議な体制であった。
日本の島津藩の支配を受けて呻吟していたのは有名であるが、その一方で、清国と朝貢貿易を行っていたのである。
清から見れば属国である。
王国でありながら、清の冊封を受け、かつ島津の支配も受ける。それをずっと受け入れてきたのである。
一方で、戦乱の時期を終わって全島で武装解除していたので、世界的にも珍しい非武装の国であった。
一時、日本の左翼が「非武装中立」を唱えたが、実際に非武装で両属、という国が沖縄だった。
言うまでもないが、この体制で、近代を乗り越えられるはずがない。
結局、沖縄は「琉球処分」によって、日本国の版図に加えられることになる。
本書は、そのときの経緯を、まるで著者自身が見聞したかのように活き活きと描き出して、まったく飽きない。

主な登場人物は、主として士階級の親方と呼ばれる上級貴族(三司官と呼ばれる大臣位につくことができる)の師弟の視点から描かれる。
清の恩義を忘れるべからず、と唱えて旧体制の維持をはかるグループは「頑固党」と呼ばれた。
彼らは、直接、清にかけあって支援の軍隊を派遣することまで要求する。
しかし、東京の外交部門は、この動きを知りつつも、冷笑している気配である。
アロー事件、アヘン戦争を経て外交的に西欧に押しまくられている清に、そんな余裕があるわけがない。
まして、台湾出兵時に、清はの日本に大して賠償金を支払っている。
他国の領土であることを間接的に認めたことで、そんなところに、わざわざ軍隊を出すはずがない。
日本政府の読みは正しかった。
一方で、沖縄の人のなかにも、世界の情勢に詳しいものは居て、彼らは時勢の赴くところ、日本に遵奉せざるを得ないと考える。
そうして沖縄自体を近代化するより他にないのだ、と思っているのだ。彼らが「開化党」である。
そして、進歩党と開化党は、日本政府に対して戦争することもできず、身内同士で私刑を応酬するような有様になり、ついに日本政府の警察力の導入を招いてしまう。
一方、農民たちは、意外にこの開化を歓迎する。
彼らは、ずっと重税に苦しんできた。士階級が結婚式を出すというと、臨時に税が徴収される。
華やかな式の裏では、農民の娘が売られているのである。
そんな士階級が体制変革で既得権益を失うことは、農民にとっては希望となるかもしれないのだ。


評価は☆☆。
実に読み応えがあり、面白かった。
著者は沖縄の人なので、さぞ頑固党よりの描き方だろうと思ったら、まったく違う。
むしろ、頑固党の蒙昧さにさじを投げている雰囲気がよく伝わってくるのだ。
そうかと言って、開化党の立場を全面肯定するわけでもない。
いわば、それは「やむを得ない時の流れなのだ」という感じだろうか。
物語は、最終的な結末、もちろん沖縄藩の廃藩置県ということだが、そこに向かって流れていく。


現在でも、沖縄問題は難しい。
正直にいえば、昔から、沖縄の位置が日本本土の交通の死命を制するところだからである。
先の大戦でも、ほんとうに内地の生活が破綻したのは、沖縄を失ってからであった。
しかし、それだけ重要な沖縄に対して、そこまで政治が気を使っているかというと、なかなかそうではない。
最初からそうなのだ、とこの本は気づかせてくれる。
それでも、沖縄は、ヤマトと離れては生きていけまい。
ヤマトも、沖縄を失えば滅びる。
誠に月並みな感想ですが、ともに手を携えて、生き延びる道を探していくほかないと思う次第ですねえ。

多様性を認めない人たち

足立区の区議が「LGBTばかりになると、足立区が滅びてしまう」と発言し、撤回を求められても「不快だと言ったって、そんなものは人それぞれ。私にとっては、共産党の発言はいつも不快だ」として謝罪も拒否したそうである。

 

この区議さん、御年78歳。もはや無敵の年齢であろう。

ここまで来て、どうして世に阿らなきゃならんのか。言いたい放題言ってやるわい、と思っておられるに相違ない。見上げたものである。

このように忖度なしに放言があってこそ、言論の自由も保持されるというものである。

 

で、当然のようにこの老区議を滅多クソに叩いている人たちもいるようである。

そういう人たちが「多様性を認めないのか?」と憤るのである。

 

でもねえ。

こういう老区議さんのような人もいる、というのを認めるのが「多様性」ではないのかしらん?(笑)

 

多様性を主張する人たちは多様性を受け入れないんだなあ、と思いながら、くだんの騒ぎをニヤニヤと見守るのが吉ですなあ。