Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

前夜 奥右筆外伝

「前夜 奥右筆外伝」上田秀人。

 

上田秀人の「奥右筆秘帖」シリーズは抜群に面白くて、新刊がでるたびに貪るように買って読んだものである。

普通の時代劇ファンでもなかなか知らない人も多いであろう「奥右筆」という幕府の官僚を中心に据えて、渦巻く陰謀と主人公のさわやかな活躍は、今は失われた昭和の良質な時代劇を見るようで、実に楽しいものであった。

当時、独立はしたものの(他にやりようがなかったので、独立せざるを得なかった)大して儲かりもしない仕事をせざるをえなかった時期だったが、奥右筆秘帖シリーズがわずかな心の慰めになっていた。あのとき、この読書と愛猫がいなかったら、ほんとに精神がどうなったかわからない。

 

奥右筆秘帖シリーズはきちんと十二巻で完結したのだが、その登場人物たちは作者の中で生きていたらしく、読み切りの形で「前夜」つまり物語が始まる前のエピソードを集めた短編集が本書である。

奥右筆秘帖シリーズを読んだ読者なら、もう嬉しくてたまらない企画である。

 

評価はもちろん☆☆。

ま、熱烈な読者であったわけなので、当然。

 

改めて思ったのだが、江戸時代の武士の仕官もほんとに大変なのである。

なにしろ、御役についていなければ罰金まで(税金ですが)課せられるのだそうだ。

武士は無役ではいかん、というのである。

しかし、長らく戦は絶えてない。よって、役を得ると言っても、数少ない募集には応募が殺到するに決まっている。

仕方がないので賄賂を使ってなんとか潜り込もうとするのだが、そもそも無役の旗本に大した賄賂が準備できるわけがない。金はないのだ。

よって、早朝から上役へご挨拶のため罷り越す武士どもで、屋敷前がごったがえす。

面談で己を売り込むほかないのだが、もちろん、可能性はなきに等しい。哀れな就職活動である。

今ももちろん就職はたいへんであるけれど、江戸時代の武士に比べれば、まだ楽なほうであろう。職種を問わなければ、仕事はなくはないだろうと思う(とんでもないブラックばかりになるだろうが)

しかし、江戸時代は、そもそも仕事がないのだ。

そこで頭角をあらわして出世するのは、なまなかではない。必然的に敵もつくろうというものである。

 

昭和、平成、令和と生きてきた私であるが、やっぱり人生は平穏無事に、そこそこ豊かに暮らせるのが一番良いと思う。

私の友人知人には、実業の世界で華々しい成功を遂げた人が結構多いと思うのだが、羨ましくはあるけど、しかし、代わりたいと思わない。彼らがどれだけ大変な苦労をしたか、その片鱗だけでも知っているからである。

 

今や都会の片隅で小さくなって生きている自分でありますが、そのぶん、気楽でもある。こんなものななんじゃないかと思う次第でありますなあ。

 

 

幕張の浜へ

土曜日は、梅雨が一転して朝からかんかん照りの快晴になった。

これは自転車だと思い、布団を干してから(愛猫が喜ぶので)出発。

暑いから海にしようと思い、先週行った三番瀬からちょいと足を伸ばして「幕張の浜」まで行ってみることにした。

埼玉は赤羽時代にかなり走ったが、千葉方面はあまり開拓していない。

いつまで走れるかわからないが、もう少し走りたいという気持ちが出た。古くなった自転車を手入れして、エンド修正をしてもらって漕ぎやすくなったり、タイヤを交換して走りが軽くなったのと関係している。

 

さて、ルートは三番瀬から帰路に発見したもので、まずは江戸サイの水門経由して新行徳橋を渡り、そこから県道を走って原木中山を通り過ぎる。そこから工場の中を突っ切って高架下を渡り(ここが激セマ)千葉街道に出てから船橋橋を右折して海寄りに南下した。

あとは埋立地コストコだのケーズデンキだのをかすめて工場街の中を走り、うろうろしながら千葉マリーンズ球場をかすめて幕張の浜に出た。

幕張の浜2022年6月

こう書くといかにも迷いなく快走したぽいが、実際は初めて走るルートでも有り、最初は市川南インターから回ろうとしてルートがなく、やむなく北上して原木中山にルートを取り直したり、埋立地の中では位置関係がわからず、幕張メッセの横まで出るのに右折しまくっていたりする。地図アプリみてても、にらみながら走るわけじゃないので、どうしても曲がり角をひとつ間違えたりはする。

幕張の浜についたのが12時半だったので、自宅から2時間かかった。

そこでいつものようにおにぎりを二個くって昼食。

ついでに、花見川サイクリングロードを走ろうかと思ったが、うろうろしまくったのでくたびれており、大人しく帰路につくことにした。

帰りは花見川から千葉街道に出て、まっすぐ千葉街道を辿って市川橋まで戻る。

3時前には家について、あとは音楽を聴きつつ、愛猫とのんびり昼寝をした。

距離は大したことはなくて65KM。

 

千葉街道は走って面白くはないが、なんとか走れるというレベル。自転車で走って快適な道ではないが我慢して、、、というのも、千葉方面はほんとに他にルートがないからである。

私があまり千葉方面を開拓しない理由である。

幕張インターなんか、自転車にとってはひどいしね。横から高速合流の車がくるんだから、どうしようもない。

回避する道を開拓できなければ、それでもそこを走るしかないのが実情。

 

帰路は最後、ちょっと腰が痛くなってしまった。ま、五十肩もですがね(苦笑)

この腰痛がしつこいのが弱点で、私がロングライドをしづらくなった原因である。

還暦近くなると、あちこちが痛いのは仕方がないんでしょうなあ。

それでも、体が動くうちには走りたいと思う。

まだ走れることに感謝しつつ。

 

ITリテラシー

尼崎市USBメモリ個人情報流出事件。

まあ、外注先が酒によって路上で寝てしまい、あろうことか個人情報が入ったUSBメモリごとカバンを盗まれるというおバカはまず弁護のしようがない。

なんでそんなアホな外注先を使ったんだ?という話になるんですが、たぶん、やらかしたのは外注先の下請けでしょう。

ひょっとすると、孫請けのさらに下で働いている個人事業者だったりもします。

IT業界にありがち。

 

さらに笑わせてくれたのは、当の尼崎市の会見。

「英数字13桁なので、そう簡単に解読できない」

いや、13桁がわかって文字種までわかったら解読はかんたんだっちゅうに(爆)

お前がばらしてどーする?(笑)

ぜったいamagasaki2022じゃないかと(13文字だもんな 笑)

 

まあ、USBメモリを知らないITセキュリティ担当大臣がいた国であるから(苦笑)

それにしても、役所のITリテラシーの低さはやばい。

ほんとに、洒落にならないレベルでやばい。

で、やばいのは尼崎市だけがやばいかというと、実はそうではない。

国だってやばい。

ここだけの話、省庁に大量に派遣されているエンジニアは、富●通にせよユ●シスにせよ、みんな同じで「民間で使い物にならなかったやつ」。

これは、業界人ならみんな知っています。。。