Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

オリーブダイニング

池袋五差路の近所。雑居ビルの2階。
前に書いた「ラシェット」のご近所で、もともとフランス料理屋さんだった。
シェフは、池袋でお料理教室の先生なんかをしておられたと思う。
わずか1000円で、すごいランチを出す店だった。池袋でフレンチ不毛地帯だから人気がなかったけど、安いビストロでいうと高田馬場「ラミティエ」や神楽坂「ブラッスリー・グー」なんかと戦える内容だったと思う。

で、改装してイタリアン。フレンチ不況だから?もあると思うけど、もっと気軽に美味しいものを食べて欲しいというシェフの願いが込められていると思う。
「今日はお財布が寂しい、でも、おいしいものをちゃんと食べたい」なら、ここはオススメだ。
とっても志が高いイタリア料理のコースが、なんと3800円で食べられるのだから。

セットBというのが、その3800円コース。
最初に前菜5種が大きなお皿で供される。変わっているのは、イカのマリネ。まるでイタリアン風塩辛、という感じで、実にワインがうまく飲める。野菜も新鮮で、オリーブオイルのさらっとしたドレッシングが素直にうまい。
その後、オニオンスープ。一口すすって「おおぉ。。。」と同行者一同からため息。実にしっかりとした味のコンソメスープで、まともなフレンチの味である。もちろん、インスタントなんかじゃない。(比べたら失礼)腹にしみいる、深い味のスープボウルがいっぱい食べられる。
つづいてパスタ。これはプリフィクスから選べる。自分はアマトリチャーナを頼んだが、やはりしっかりしたトマトソース。よく、トマトソースでフレッシュトマトの風味をわざと強調することがあるけど、あれとは違う。濃くて、深い味わいのトマトソースで、スプーンですくって食べると頬がゆるむ素晴らしさ。満足!パスタ自体はもちろん、悪くないけど、ソースがとにかくうまいのである。
さて、メインだ。いい加減、お腹はいい感じなんだけど、頼んでいたのはラムのロースト。香辛料が効いていて、全然抵抗なく食べられる。しかし!この選択は失敗。なぜなら、同行者の頼んだスズキのポワレが、あまりに素晴らしかったからである。肉厚の大きなスズキが、じゅうじゅうとやってきたのを見たらたまげた。「あー、おなか一杯~」と言っていた同行者達(女性である)が、「美味しい!!」の連発で、ぺろりと平らげてしまった。そうか。イタリアンは、魚介に力を入れる料理である。シェフは、魚の仕入れにかなり力を入れているらしい。この店にきたら、肉より魚を選んだ方が絶対オススメなのだ。
最後は、デザート。アールグレイ紅茶のパンナコッタ。こりゃ、うまいに決まっている。
私は辛党だけど、そんなの全然関係ない。お腹が一杯でも関係ない。完食するしかないのである。

おどろくなかれ、これだけ食べて、足りない人はパンをとって(満腹で食べられないけど)3800円!
しかも、ワインの品揃えが良い。ワインの王バローロ、女王バルバフレスコ、貴族フレスコバルディのそろい踏みが拝める。安くて美味しいワイン達だけど、値付けも良心的。イタリアワインを気軽に楽しむには最高じゃないだろうか?
当日はフレスコバルディを頼んだけど、いやあ、うまいのなんの(^^)
ワインに弱い女性陣も大絶賛、おいしいおいしいと飲みまくったといえば、ご想像もつくだろうか?

味付けは総じて濃いめ。フレンチビストロ時代からの名残だろうか。すべて、オーダーしてから調理で、作り置きは一切ない。メートルのミセスのお話を聞いていても、実に気持ちがよい。ちゃんとメニューの相談にも乗ってくれる。気をつけるべきは、メインは魚!である(笑)

なんとなく、ちっちゃくてもリストランテでありたい、のじゃないだろうか?コース主体で、取り分け皿は出ないようだ。アラカルトで大皿を取り分けて、みんなでワイワイ、じゃない店の雰囲気である。
近所のラシェットとは違う。(ラシェットは取り分け皿がでる)肩肘はっていく店じゃないけど「今日はうまいイタリアンを食べるぞ!」と決心しても、ちゃんと答えられる。池袋には、有名なイタリアンの店があるけど、私はこちらの方を選ぶことが多い。安いだけじゃない。ちゃんと「志」があるのだ。
もちろん、店内はこじんまりとしているけど、そんなに座席を詰め込んでもいない。
明るく、きれいな店内で、イタリア料理店に多いガラスの曇りもない。快適に食事ができる。

本当は、もっと通いたい、隠れた池袋の名店だと思う。絶対間違いないのだから。
ただ、男性一人でウキウキ通うのは、かなり勇気がいるわけで(^_^;)
なかなかイタリアンに行けないわけは、このへんにあるんである。
独身中年男のつらさ、であるなぁ。。。