Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

掛け声倒れ

北のカリアゲが、再びICBM発射実験を実行した。
今度はロフテッド軌道で高度3700キロメートルまで飛んだらしいから、米本土に到着することは可能になったようだ。
また、併せて再突入体の実験も行ったようで、もはや核弾頭の搭載まであと一歩である。
それにしても驚異的な開発速度で、とても自力開発とは思えない。おそらく、ロシアか中共のミサイル技術を移入しているのだろうと思う。

さて、米国への核攻撃可能となると、日本に対する「核の傘」が機能するか?という古くて新しい問題が浮上する。
古い、というのは、ソビエト中共の核に対しては、ずっとそういう疑念があったわけである。
北が、その古い問題を最新版にアップデートした、ということである。

ちょっと思考実験をしてみる。
仮に、日本に対してカリアゲが核攻撃を行い、トランプが口先野郎のヘタレチキンなので反撃しない場合(トランプは間違いなくそう)、何が起こるか?
日本は残念ながら何も出来ない。自衛隊に敵基地反撃能力がないからだ。
米国は腑抜けなので、何もしない。
すると、米ドルが暴落する。米国に対する信任は失われる。
国際決済通貨の地位を失って、米国は経済破綻に追い込まれるだろう。
代わりにその地位を手に入れるのは、中共人民元になる。EUは力量不足である。
日本は、中共の衛星国になって生きるしかなくなるだろう。

しかし、このシナリオを米国が受け入れるとは思えない。
おそらく、北に対して的確な措置を講じられない場合、トランプは大統領の地位を失うしかない(暗殺も含めて)。

中共にとっては、とても面白いストーリーなので、この展開を歓迎する可能性がある。
問題は、最大顧客を失って、内需だけで国民が食っていけるかどうかである。
アメリカなみに、人民元を刷りまくってしのぐことになるのだが、果たしてうまくいくのか?
ロシアは、どっちに転んでもいいのだが、とりあえず石油を売りながら、どさくさ紛れに火事場泥棒をする(お家芸だから)ことになる。


まあ、国際的にみれば米中の外交関係がすべてなので、日本などはそのオマケに過ぎないのだが(事実)カリアゲに核ミサイルで恫喝されっぱなしも嫌なので、対抗策として核武装を考えたとする。
すると、問題点は以下の3点になるだろう。
1)NPT脱退による経済面の影響
2)核武装のコスト負担
3)周辺への影響

まず、当然にNPT(核拡散防止条約)を脱退することになる。
すると、間違いなく経済制裁を食らう。この時点で、日本はかなり終わる気がする(苦笑)。
輸出もダメージだが、それ以上に輸入制限を食らって、たちまち物価はハイパー級のインフレになる。
生きいけるのかよ、おい?状態である。

次に、核武装のコストである。
核技術もミサイル技術も、基礎はあるものの、それでも核ミサイル開発にはカネがかかる。
諸説あるが、最新の試算でおよそ25兆円である。そのカネをどうするか?
日本は、2025年から団塊世代後期高齢者になるので、社会保障費が爆跳する。年間100兆円以上かかる。
つまり、誰が首相になろうが、財政余力がないことは同じなので、何かしたくても先立つカネがないのである。
仕方ないから、核武装のために消費税を上げることにする。と、5%に相当する。
仮に2025年に10%消費税+核開発5%=15%。これでも、赤字国債バシバシ発行が前提である。
NPT脱退で経済制裁食らいつつ、こんな予算を実現できるのか?
もう経済が終わりそうな気がするんだが。

最後に、日本が核武装したとすると。
間違いなく、韓国が「俺もやる」と言い出す。
そりゃそうである。中、米、日、露、北に囲まれて全員核武装。一人で丸腰でいろと言われても我慢出来ないだろう。
しかし、韓国では独自開発は難しい。おまけに、GDPの過半を外需に頼っているので、NPT脱退で制裁食らったら、核ミサイル以前に国民が餓死してアウト。
なので普通なら諦めるが、あの国がそんな理性的な判断をするわけがない。
何が何でも、となって、北のカリアゲの傘下に入る可能性がある。まさかと思うが、ゼッタイに有り得ない愚策を実行することにかけては天下一品なのである。
そうなると、半島が中共色になる。
日本としては、戦前の悪夢が再現であり、喉元にキチ○イの剣呑な国家が出来て、その後ろも含めて油断できないことになる。
米国は半島の南を取られてメンツ丸つぶれ、ドル大暴落である。
そんな米国を後ろ盾にしなけりゃやっていけない日本も死んでしまう。


てなわけで、普通に考えると、どうもアウトな展開である。
日本にしても、北、中、露、米と「6カ国会議」のうち、4カ国までもが核武装した状態で話し合えというのも酷なので、この際だから核武装を考えたいのだが、どうも現実的な見通しが立たない。

核武装を推進すべきだという観念論は良いのですが、このあたりの現実的な策を聞いたことが無い。
なにか、妙案があるんでしょうかねえ。