Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

訃報次ぐ

西部氏の自殺の報に接したと思ったら、今度は海外からアーシュラ・K・ルグィン女史の訃報である。
ニュースでは、アニメ映画「ゲド戦記」の原作者として知られる、となっていたのが、余計に悲しい。
なんでゲド戦記なんだよ。
どうみてもルグィンは「闇の左手」だろうが。

まあ、そりゃ「闇の左手」は日本では受けないだろうと思う。フェミニストSFなんて言われてねえ。
けど、アイディアは抜群。実際に、年代によって、あるいは環境によってオスになったりメスになったりする生物種は地球上にいる。
では、人間がもしそういう性質を獲得したら、人間の持つ文化はどう変わるだろうか?
これは、ただのフェミニズムなんかじゃない。
優れたアイディアであり、非常に興味深い着想というべきだろう。

なんでもかんでも「政治」にしなきゃ気が済まないキ○ガイどもが、ルグィンの価値を貶めたと思う。
馬鹿は放っておけばいいのが原則なのだが、時に煩い連中は害をなす。
それも、言論の自由なので、耐えるより仕方がないのだが。

自分が読んで評価した作家たちが、こうしてだんだん亡くなってくる。
つまり、以後、絶対に新作は読めないということだ。

年をとるのは寂しいことなんだなあ、と理解しはじめたわけである。