Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

見せしめでしょうが

富田林警察署の留置場の面会室から逃走し、加重逃走罪で先日、懲役17年の判決を受けた樋田被告。本日、大阪高裁に量刑不服で控訴した。

 

実は、この件、私も「重すぎるのでは?」と思っていた。

公判での争点に、逃走の経緯があって、検察は「なんらかの方法で面会室の仕切りを破壊して逃走した」と主張。

これに対して、弁護士は「最初から仕切りは壊れていたので、それを利用して逃走」と主張。

言うまでもないですが、同じ逃走でも「自分で壊して逃げた」と「たまたま、仕切りが壊れていたので(ついつい、目先がくらんでしまい)発作的に逃走」したのでは、刑の重さが違う。

 

これは、こんな検察の言い分を信じる裁判官が悪い。

だいたい「なんらかの手段」などいう横着な主張があって良いものだろうか?そこを解明するのが、検察の仕事だろう。

裁判官は、もちろん品行方正なので、入ったことがなくて分からないだろうが、留置場に代用監獄として収監されるときは、徹底した身体検査があるものである。ドライバーはおろか、腕時計、コイン一枚だって持ち込めない。メガネと衣類だけだ。

では、そのメガネと衣類だけで(早い話が徒手空拳である)どうやって、面会室の分厚い仕切りを破壊できるというのであろうか?

それが思いつかなかったので、検察は「なんらかの手段」などという苦し紛れの説明(になっていない)をしたわけだ。

誰がどう考えたって、素手で面会室の仕切りを破壊できるわけがない。大山倍達でも無理であろう。

結論はただひとつ。既に壊れていたのである。

嘘だと思うなら、判決をした裁判官が自ら、やってみればよい。科学というものは、検証可能性で担保される。それが客観性である。客観的でなく、科学的でない(=非科学的な)主張に基づいてくだされる判決は、単に政治的なショーまたは怠惰の産物である。

「あの人が超能力で(=なんらかの方法で)被害者を殺しました」「はい、殺人罪で有罪ですね」こんな裁判があっちゃならねえ、誰でも同意するであろう。

 

つまりは。

警察の管理不十分で、最初から面会室の仕切りは壊れていた。それを見つけた被告は「しめた!ラッキー」と逃走した。

つまり、警察の重大な落ち度なので、身内の検察がかばって、全部を逃走した被告におっつけた。たぶん、検察も、内心では無理筋だと思っていたので「なんらかの方法」などといういい加減な主張をした。

ところが、それが結構そのまま通ってしまったのである。

そんな裁判であろう。

そりゃあ、控訴をするだろうなあ、と思うのである。

 

こんないい加減な裁判を、しっかり批判もしない報道も、どうにもならない。

記者クラブに入れてもらえなくなったら、楽して記事が書けないからねえ。

マスコミの記者は、みんな有名大学卒業だ。楽して高い収入を得るために、偏差値の高い大学に入り、大手マスコミの難関を突破した。

 

かくして、無理がまかり通る。

世の中、そんなものなんですよ。