Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

エコイック・メモリ

「エコイック・メモリ」結城充考

 

前作の「プラ・バロック」が楽しめたので、続作を購入。
主人公は前作のまま、若き女性刑事のクロハ。
冒頭で、金融機関に立てこもった男を地元の警察官とともに包囲していたところ、犯人が突然飛び出してくる。
犯人は拳銃らしきものを持っていたが、クロハは発砲を躊躇してしまう。一緒にいた警察官が発砲、当たりどころが悪くて犯人は死亡。
その後の捜査で、犯人が持っていた拳銃はオモチャだったとわかる。
オモチャの拳銃をもった犯人を射殺してしまったことで警官は厳しい立場に置かれる。
射撃術に長けたクロハは、自分が発砲しなかったためではないかと考えて悩む。

その後、echoと名乗るネット上の殺人動画が問題になる。
警察では内偵を開始。
ネット上の殺人は、だんだん手口がエスカレートしていき、連続殺人事件となる。
クロハは地元警察署と連携しながら犯人の範囲をジリジリと絞っていく。
やがて、echoという犯人が判明する。それは意外な人物だった。
クロハは、単身で、犯人と対決することになる。


前作の雰囲気をうまく引き継いでいる。
なかなか楽しめたので、評価は☆。

少々気になることは、刑事は基本的に単独行動はしないので、本作のように仮に参考人程度に事情を聴取する際にでも、単独で向かったというのは違和感がある。
事件解決は、このクロハの単独行動がもとになるのだけど、それによって特に処分された形跡もない。
このあたりの処理は、たとえば海外作家のコナリーのボッシュシリーズなどでは上手い。
刑事モノを読み慣れると、少し気になるんですねえ。

このクロハシリーズはさらに続編が出ているようだ。
特に追っかけてみたいほどではないけど、また見つけたら買うと思う。
そういう感じで、少しだけ頭の中に置いている作品群がいくつかあるのだ。
そういう作品をふとした時に見つけるのも、面白いものなんですよねえ。