私が住んでいる東京も再びコロナの第四波が襲来しており、マンボウでは足りぬというので緊急事態宣言が3度めになるのは確実な情勢です。
で、都民は「どうせ効果ない」「いつまでやるんだ、無策だ」「カネよこせ」と不満でブウブウ言っております。
無策なのはまったくそうなのですが、かといって、ワクチンもまだこれからですしね。国内にワクチンがないのは、欧米が自国を優先するからですし、どの国だって自国民が外国人よりも大事であります。ワクチンを作れない日本が悪いのですが、副反応が少し出ると大批判される厚生省としては、ワクチンを認可しないほうが安全なのですし。
打って副反応は責任問題ですが、打たなくて批判されることはないですから。
そんな国でワクチン開発をしようなどという経営者がいないのは当然で、日本の経営者もそこまで馬鹿ではないのであります。
かくして、「自粛」だけが唯一の武器での戦いは続きます。
ところで思うのですが、日本人は「長期戦」が苦手だと思うのです。「短期決戦」は大好きで得意だと思うんですがね。一瞬で燃え上がるのは大好きで、まさに桜の美学。
しかし、長期でじっくりやられると、てんでダメになるのであります。
これはなぜかと思うに、真面目すぎるのではないか、と思うのですね。
まなじりを決して不退転の決意で猪突猛進まっしぐら、ではマラソンは走れぬ道理。
第二次大戦のおり、ロンドンにドイツのロケットが落ちてデパートに大穴があいた。
すると、翌日、そこに張り紙がしてあり「入り口を拡張しました」と書いてある。
まあ、こういうユーモアがあって、長期戦を戦っていけると思うのですよ。
なにかというと「この非国民め」と罵るだけの一本槍で何年かかる戦いをやっていけません。
で、くだんの路上飲みであります。
日本人のモラルもこの程度と嘆くのはわかりますが、実際に外国では開き直って開店した店でノーマスクで騒ぐ輩も大勢いるではないですか。
そこへいくと、屋外で缶ビール開けるくらいは可愛いものよのう、と思うのであります。
実際、屋外であれば換気はバツグン、もちろん談笑しちゃダメですけど、静かに飲む程度であれば問題ないでしょう。
むしろ、ルール内でなんとか一杯やろうという、いじましい心遣いというべきかと。
もちろん、私はやりませんけど、思わず路上飲みしちゃう人たちを批判するのはちょっと待て、と思うのであります。
その程度の余裕が無いと、長期戦を戦えませぬ。
かの秀吉公は小田原城攻めのとき、大阪から女衆を呼び、茶会を開き、大名連中にもそれを推奨しておりました。
もちろん北条氏に余力を見せつけるためでもありましたが、長い攻城戦で締め付ける一方では持たぬと、人情の機微に敏い秀吉公は見抜いていた。
長期戦と覚悟を決めて、細かいことに目くじら立てることなく、ゆるりと過ごす心持ちこそ肝要と存ずる。
そういうわけで、路上飲みの一件、こたびはお構いなし、というわけで。