ミニアンプで当面の音環境を構築してから、CDプレーヤもミニサイズで揃えた。
もちろん、またまた底辺価格の中古品である(笑)。
sonyのCDP-A39という機種。
登場時でも2万円台の安物機種である。
が、これが意外に良い音がする。いつものソニー安物系の「何も足さない、何も引かない」音なのだが、これがいいのだ。
実は、若い頃はソニーの音が嫌いであった。「味も素っ気もない、即物的な音」だからである。今になって、かえってそんな音のほうが曲趣がよく理解できる(お化粧がないからなあ)ように思い、悪くないと思うようになった。
しかし、それにしても、ちょいと音の薄っぺらさは気になるところ。
中を開けてみると、こんなシンプルな基板。
音を出しているのは、写真に見える小さなJRC4558Dというオペアンプ2つらしい。このオペアンプはオーディオ用途では最も安いタイプのやつである。
これを交換してみることにした。
オペアンプソケットに付け替えて、交換したのが下の写真である。
交換したオペアンプはTIの5532APである。5532は古いが有名な石で、いくつかのメーカーからセカンドソース(ジェネリック)が出ている。やっぱりTIがいいだろうと思って、マルツオンラインで購入しておいた。1個わずか120円だ(笑)。
実は、この5532という石はよく知っている。かつてセパレートアンプを使っていて(すでに20年前か)そのとき、フィリップスのLHH-P700というプリアンプをメインに使用していた。そのプリアンプの中身が、この5532という石だったのだ。ラインもフォノも、全部5532だらけだったと記憶している。素直な良い音だと思っていたので、値段も安いし、これにしようと思ったのである。
で、換装後、試聴してみる。。。
驚いた!あまりの変わりようにびっくり仰天である。
特に低音がいきなり彫りが深く、今まで「あまり重低音は入っていないなあ」と思っていたバーンスタインのマーラー2番がズーンと鳴り響いたのにたまげた。
ジャズはと思って、愛聴盤の「ワルツフォーデビィ」ビル・エヴァンスを聞いてみると、スコット・ラファロのベースが以前は「ブンブン」だったのに「ブリブリ」に近くなっている。何よりも、曲間の拍手の人数が増えているし、ライブ会場の広さが広くなったように聞こえる。
なんというか、全体に、とても格好良い音になった。大満足である。
しかし、5532でこんなに良くなるなら、もっと高額なオペアンプに換装してやれば、さらに良いのかもしれない、と思ってしまう。そのうち、たぶん、やってみると思う。
とはいえ、当面は今のままで充分である。
それにしても、もともとついていたオペアンプ4558と、交換した5532の値段の差は20円くらいしかない。いくら安物でも、これだけ違いがあるんだから、最初から5532をつけておけば良いのではないかと思って気がついた。
こりゃ、ミニコンポらしくない音だし、そもそもソニーらしい音でもない!
もともとの4558は、軽いドンシャリで音が薄いが、いかにも「ソニーのミニコンポ」らしい音がしていた。5532に付け替えると、フルサイズの別メーカーの機種のような音になってしまう。イメージはやっぱり大事なのではないかなあ。
読書しながら音楽を流すのが一番楽しい時間なのですが、その音が良くなった。
これから寒い冬に向かうのに、ありがたい話である。ますます、外出する機会が減ってしまう気がするが、またコロナの新種が流行るかもしれないし、しばらくはそれも良いかもしれませんね。