Single40'S diary

「40過ぎて独身で」の作者が、あっというまに50代を迎えたブログ

忍びたちの本能寺

「忍びたちの本能寺」近衛龍春。

この人の本は前に読んだ「九十二歳の関ヶ原」がたいへん面白かったので、期待して読んでみる。


主人公は忍者の多羅尾一族の妾腹の次男、伊兵衛である。織田信長の次男、信孝に仕えている。
信孝は明智光秀本能寺の変と、それにつづく秀吉の中国大返しに疑念を持つ。誰かが仕組んだのではないかというのである。
明智は謀反人であるが、もしも秀吉が黒幕であれば、秀吉こそ謀反人ということになり、信長の仇討ちをしたという秀吉の事績も消え去ることになる。
そうなれば信孝にも信長の跡目を次ぐ可能性が出てくるということになる。
そこで、伊兵衛たちに「本能寺の変の真相をさぐれ」という指令が出る。
伊兵衛たちは手分けして、本能寺の変の裏を知っていそうな者に片っ端から手段を問わず問いただす。
このあたり、忍者ものというより、もはや「あぶない刑事」である。
武将、僧侶、神主、連歌師。。。
そして、ようやく「これが黒幕」といえそうな背後に迫るのであるが、しかし、残念ながら確たる証拠はない。
信孝も自刃してしまい、歴史の謎だけが残される。


歴史作家なら一度は書いてみたい「本能寺の真相」であるが(苦笑)さすがに史料読みの徹底した作者で、そのへんの比較まで踏み込んでいる。
まあ「本能寺マニア」なら、誰でも知っている史料なのであるが、それは皆がよってたかってほじくり返した事件なので仕方がない。
当然だが、画期的な結論が出るはずもないので、これまで語られてきた説のどれか、ということになるのである。
評価は☆。
たしかに、忍者による事件捜査という物語は悪くない。ただ、ネタが本能寺というのは、さすがに手垢にまみれた感じもするんですな。
書きたくなる気持ちは理解できるのだが(苦笑)さすがに食傷気味のところもあり。
まあ、次作に期待か。
決して面白くないわけではないが、前作が良すぎた。

本日、全東京都知事石原慎太郎氏が亡くなられた。ご冥福をお祈りします。
ただ、長男が議席を失ったばかりなのは、少々世の無常を感じるところでもある。
長男は、派閥の長の谷垣さんが止めるのに総裁選に打って出て「平成の明智光秀」と呼ばれたのである。
第二次安倍政権の成立に手を貸したことで論功行賞で副総理になったものの、内閣改造で閣外に追いやられ、派閥も冷や飯を食わされた。
やっぱり明智光秀のイメージが良くないのであろう。
あそこで我慢して、着々と力を蓄えておけば、あるいは、、、があったかもしれない。
謀反するときは、後々のことまで考えていないとまずい、ということでしょうなあ。