Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

オペアンプ沼 その4 古典に落ち着く

10日間ばかり、LF412を使った。

高音は綺麗に伸びるし、低音もバスドラやティンパニもよく再現する。じゃあ良いか、というと、ううむ、なのだ。

どうも中低音、チェロの音あたりが弱い。なんというか、中音から低音にかけて、腰がないというか、薄口である。おかげで、何を聞いても上質のBGMのように聞こえる。

たいへん耳ざわりがいいが、説得力はないように思う。

似たような傾向はTL072もそうだし、LME49720もそんな気がする。

好きなのは、やっぱりNE5532なのだが、あれはちょっと極端だ。

しかし、古い石というのは、案外良いのかもしれない。

思い立ったら矢も盾もたまらず、さっさとアキバに出撃、またまた「現在廃番」という古典石を買ってきた。

自宅にもどり、さっそく交換作業をする。

オペアンプのソケットに、接点グリスをつまようじを使って塗り込むのは、私のオリジナル技だと思う(笑)。

ソケットに接点グリスを塗る

買ってきたのはLM1458と、LM833Nである。

 

最初にLM1458を聞く。

「おおっ!」と声が出た。サキコロのサックスの太いこと、ドラムのキックがよく聞いて、シンバルが「チンチンッ」と金属音だ。今までで最高だ。

NE5532にあった高音の丸さもそれほど気にならない。いいじゃないか。

 

ついでに、LM833Nを聞く。

「おー」これもいい。

バランス的には、LM1458とよく似ているが、もう少しエコーがつくというか、間接音が入ってくる。

このへんは一長一短だが、ジャズを聞くならLM1458のほうが魅力的だが、私はクラシックも聴くので、LM833Nのバイオリンのほうがやや滑らかさで勝るように思った。

これは微妙な差なので、単に気分の問題である。

 

それにしても不思議だ。

両方の石とも、今となっては大した性能ではないので、後継にとって代わられた。

しかし、私の耳では、抜群である。

LM1458がプロがギターアンプなどで「真空管くさい音がする」ので好む人がいるらしい。なんとなく、わかるような気がする。

LM833も同じような感じで「古典的な音がほしい人」に人気があるという。

言われてみると、私が好きなのは60年からせいぜい80年代までの古いジャズやクラシックである。最新盤はあまり興味がないのだ。

どうも、年代ごとに、音にも流行があるということらしい。

私は古い人間なので、古い音のほうが合うのだろう。

 

とにかく、オペアンプ沼はこれでしばらく落ち着くと思う。

成果が出た連休に満足しているところである(苦笑)