Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

自転車乗りが考える心理の陥穽

 

安倍元総理は多くのかたの願いも虚しく、ついに帰らぬ人となった。享年67歳。くしくも、父の安倍晋太郎氏と同じ年齢で旅立たれた。

ご冥福をお祈りします。

 

現場のビデオを見ましたが、凶行の当時、安倍元総理の背後はがら空きである。

普通は、SPは重要人物の四方をすべて警戒するものだという。

私は自転車乗りだから、警護の心理の陥穽がわかる。

 

なぜかクルマに乗る人は「車道はクルマのもの」だと思う人が多い。

自転車に乗っていると、車道には他の自転車やバイク、それに東京だと朝晩はランニングする人までいることに気がつく。

ところが、都内を出て千葉、埼玉に行くと、車道を走る自転車に対していきなりクラクションするクルマが増える。「車道は自動車しかいてはならない、オマエは邪魔だ」という意味である。

はっきりいえば、イナカではクルマ様がえらく、人は車道にいてはならない。

 

凶行の現場で安倍元総理はガードレールを背にして、ロータリーの聴衆に話しかけていた。背後は車道であった。イナカの県警にとっては、車道は「人がいる場所」ではなかった。だから、誰も警戒しなかった。

犯人は、車道をはさんだ反対側の歩道にいて、車道を横切り、安倍元総理の背後から射撃した。

一発めと二発目の間隔は相当あったが、県警のSPは反応できなかった。

「車道に人がいるものではない」という心理の陥穽に落ちたのだった。