Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

談合の裏側

検察はどうやら本気モードで、五輪談合疑惑を徹底的に調べているようです。

で、最後の砦の森元さんは、折悪しく(折よく、か?)コロナに罹患したとのことで、とっとと入院してしまいました(苦笑)たぶん、しばらくほとぼりが冷めるまで出て来ない作戦ではないかと思っております。

 

この談合ですが、私は広告業界の慣行というか、いわば「暗黙のお約束」が検察の逆鱗に触れたと思っております。はっきり申せば、談合は五輪に限った話ではなくて、いわば「フツー」の話で、ただ五輪は税金が投入されるので怒られているという見解なのです。

 

私がそのように考える理由は、私自身が、かつて広告業界のはじっこ(イベント屋です)にいたからです。

ときはバブル崩壊の90年代前半。コンサル会社にいた私は同僚の甘言に乗って、イベント屋の起業に参加したのですね。

事務所は表参道の億ションの一室で、自分は引っ越して三軒茶屋のマンションに住んでおりました。社用車という名目で、アルファ・ロメオというイタリアの左ハンドルのエアコンが夏に暖房になったりブレーキランプが突然壊れたりする車がございました。

皆さんの予想通り、バチがあたってこの会社はわずか2年で雲散霧消するのでありますが、要領の良い同僚は逃亡し、私ひとりが後始末に3年を要したのであります。

以来、他人を信じません(苦笑)

それはさておき。

 

イベント屋が仕事をすると、そらもうD通さんのお世話にならないといけない。談合するのではなくて、こっちからD通さんに談合をお願いしにいくのであります。

どういう仕組みかというと。

例えば、ある会場で予算5000万のイベントを仕掛けるとします。すると、実際の原価が1500万くらいかかります。弱小イベント屋は、この原価1500万をかぶることはできません。そこでD通さんに持ち込み企画をするのです。

すると、D通さんのおメガネに叶えば、広告から内装、照明、音響、人材派遣まで、すべてD通さんの仕切りで通ります。もちろん、それらの業者はすべてD通さんと懇意の人たち、一族OBが経営する会社なのです。D通さんのみかけのマージンは15%なのですが、実際は50%を抜きます。

イベント屋は残り50%から原価をさっぴいて1000万が儲かる算段になりますが、その他の予想外の出費が必ず出ますので、そんなに儲からないことになっています。

だいたい、そんなものなのです。

つまり、D通さんは金融機能があって、弱小イベント屋はこれなしでは仕事ができないわけです。そのかわり、D通さん仕切りでなんでも通りますので、相見積もりも何もありません。入札、それって美味しいんですか状態です。全部、D通さんが決めています。談合と言われりゃ、そうでしかないですね。

ちなみに、発注元のスポンサーさんの広告部長さんにもバックがあります。大手企業の広告部長の椅子は、役員になれなかった大物の救済の席で、5年やれば家が建つといっておりました。

 

今でも、こんな仕組みがあるのかどうか、知りません。

しかし、あってもおかしくはないだろうな、と思っています。