アメリカの有名投資家、ウォーレン・バフェット氏が「日本推し」を表明し、商社株を筆頭に日本株への投資を強めていることが話題になっている。
バフェット氏は今まで保有していた台湾株を「地政学的リスクが大きい」と売却、その資金を日本株の購入に充てたわけである。
バフェット氏といえば「バイ・アンド・ホールド」がモットーの人で、一度購入した株は、ある程度の長期保有をするのが特色である。つまり「いよいよ日本株が復活」するのではないか、という話になっているわけだ。
実は、このような動きはバフェット氏だけではない。米大物投資家が、続々と日本株に投資を開始している。
理由は色々とあるのだが
1)中国株は危なすぎて持てない
2)欧州はすでに成長の余地がない
3)日本株は割安の水準で、来年以降の業績で概ね改善が予想されている
4)日銀が買い支えているので大崩はなく、しかも、そう簡単に脱出できないからリスクは少ない
といったあたりが言われている。
ただ、このへんは円安誘導も含めてアベノミクス時代もずっとやっていたことである。しかし、当時は「日本低成長論」が主流で、オワコンだと言われていたのである。
ここにきて、潮流が変わってきている。
私が考えるに、理由は2つあるだろうと思う。
1つめは、コロナ禍の経済において、日本が意外に強かったことだ。他の国に比べると、落ち込みの幅が小さい。そのぶん、復活も緩やかなのだが、日本経済の「腰の重さ」も、見方を変えれば「しぶとさ」とも言える。日銀の買い支えもあるし、いわば暴落リスクの少なく、かつ上昇は約束されている局面なので、ここで反転するという期待があるのであろう。
2つめは、地政学的な問題である。ウクライナ戦争で、世界はふたたびレッドチーム対西欧自由主義陣営の対立という冷戦構造の復活になりつつある。米国は中国離れを着々とすすめることになる。そうなったときに、どこがその生産を引き受けるのか?それは日本だろう、ということなのだ。他の新興国では、西欧が求める高品質の商品を生産する力がまだない。
私は、日本が没落した原因は、バブル崩壊のためではなく、ベルリンの壁崩壊による冷戦構造の終焉が原因だと思っている。中国(韓国)、東欧が生産競争に乗り出して、日本のパイが減った。単純な話である。
そのパイが戻ってくる。となれば、日本が再浮上するというリクツである。
ほんとにそうなるのかは分からない。
特に、日本は少子高齢化で、生産余力自体が少ない。戻ってきたパイを消化しきれるのか、大いに疑問なところではある。
それでも、もしもこれから日本復活が見られるとしたら、、、やっぱり期待してしまうんですなあ。
若い日本人が、元気に活躍するようになって欲しいと思います。