Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

投資ファンドとか何か

投資ファンドとは何か」北村慶。

最近、投資ファンドについてよく耳にするようになった。
きっかけはFITである。
太陽光発電であれば42円という馬鹿げた高単価(だと思う)を20年にもわたって保障する精度が出きて、一気に投資ファンドが出てきているのである。
何しろ、敷地に太陽光パネルを敷きつめれば、カネを生むのである。
放置され、閑古鳥がなくゴルフ場だの海外移転でもぬけの殻の工場跡地にとっては、夢のような話である。
これらの大損物件を抱えた人間が、ソレとばかるに動き出したのも無理はない。
しかしながら、このような人種は、当然ながら銀行には信用がない(笑)。
資金がなければ、発電は始まらない。
そこで登場するのがこれらのファンドである。
彼らは「環境ビジネス」を知り尽くしており、日本の大損地主を叩きまくり、投資するかわりにほとんどの収益をかっさらう。
現在、FITの買取単価は38円まで下がったが、それでも償却で10年見れば回る。
買取期間は20年だから、充分にプラスである。
雀の涙の小金を地主に支払い、これら投資ファンドがどんどん遊休不動産を太陽光発電施設に代えているのである。

日本のファンドも、この状況をみて、あわてて後を追っている。
しかし、こういうものはスピードが勝負だ。
もっとも条件の良い土地は、売れた後なのである。
これら外資ファンドは、20年も施設を持つはずがない。
たぶん2~3年で、充分に予想通りの利益回収があがっているトラックレートを出して、売却にはいるはずだ。
それを「実績」が大好きな、マヌケな日本のファンドが買うだろう。
太陽光パネルは、それから劣化を開始する。
誰も20年のパネル維持なんかやったことがないんだから、当然だ。

そんな有様を私は見ている。
ファンドと戦うには、ファンドを知らねばならない。

本書は、投資ファンドの基本を丁寧に解説した本である。
基礎知識に徹した内容で、それが私のような素人に有難い。
評価は☆である。

本書にもあるように。
金融資本主義といって、投資ファンドを毛嫌いする人も多いのだけれども、彼らの存在が資本主義におけるイノベーションを作り出す場合も多いのである。
変化を嫌って『トラックレコード」実績ばかりを追えば、どうでもいいカスしか残らない。
リスクを取れば、相応のリターンを得なければ成り立たない。
それには、確かな「見通し」が必要だ。

くもりのない目で、世の中の動きを見て判断する。
簡単にできることじゃありませんが、それができれば儲かる、と。
言われてみれば、その通りかもしれません。