Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

#読書

これさえ知っておけば、小説は簡単に書けます。

「これさえ知っておけば、小説は簡単に書けます。」中村 航。 斯界で大評判の本書なのである。私も、さっそく読んでみた。一時期、新書ばかり読み漁っていたが、すでにネタは出尽くして、大して面白いものが出ないので、最近は買っていない。久々に新書を買…

55

「55」ジェイムズ・デラーギー。 なんと、数字だけというタイトルのミステリである。著者のデビュー作であるようだ。 オーストラリアの内陸部、5人しか署員がいない田舎町の警察署に、一人の血塗れの男が逃げ込んできて助けを求める。男の名はゲイブリエ…

SFよ、お前もか

今朝は、あまり気分の良くないニュースがあった。 私は古いSF小説のファンであるが、SF小説に贈られる賞といえば、世界的に「ヒューゴー賞/ネビュラ賞」と決まっている。SF小説界で最大の栄誉である。近年の受賞作では「三体」(劉慈欣)が有名である。 そ…

青鉛筆の女

「青鉛筆の女」ゴードン・マカルパイン。 さきの大戦で、米国で日本人は日系人収容所に入れられた。いわゆる日本人だけではなくて、日系2世でつまり「アメリカ人」であるはずの日系人も、である。もう一つ付け加えておきたいが、当時の朝鮮人は日本統治下で…

だからダスティンは死んだ

「だからダスティンは死んだ」ピーター・スワンソン。 この人の作品では「そしてミランダを殺す」がとても面白く読んだ。期待して購入。 物語では、まず米国に住む2組の夫婦が隣同士になったことから話がはじまる。 ロイドとヘンの夫婦。妻のヘンは版画家で…

朱花の恋

「朱花の恋」三好昌子。副題「易学者・新井白蛾奇譚」。 今日は朝から日差しがあるものの、北風の冷たいこと、まさに刺すようであった。自転車をこぎだしたものの、荒川まで出てこれはたまらぬとUターン。すごすごと帰宅して、猫とぬくぬく過ごしつつ読書を…

わたしたちが孤児だったころ

「わたしたちが孤児だったころ」カズオ・イシグロ。 今やノーベル賞作家となったk.イシグロであるが、私がこの人の本を最初に読んだのは「日の名残り」であった。心に染み入る名品だった。「わたしを離さないで」には泣かされた。SF作品として、あの「アル…

戦争の法

「戦争の法」佐藤亜紀。 実家でごろごろと、無為徒食している主人公の若き日の回想録という形式をとっている。 日本海側のN***県が、1975年に突如、独立を宣言する。ソ連がそれに協力する。 主人公はちょいとひねた15歳の少年だが、文学趣味の教師が「最後の…

翻弄ー盛親と秀忠

「翻弄ー盛親と秀忠」上田秀人。 歯科医のかたわら、めちゃくちゃに面白い歴史小説を執筆している著者である。これからは、出版専業で食っていく作家は減ってくるのではないかと思う。二足のわらじ、マルチクリエイター、そういう人が増えてくるのではないか…

熊と踊れ

「熊と踊れ」アンデシュ・ルースルンド、ステファン・トゥンベリ共著。 スウェーデン発の大型ミステリというか、サスペンス物か。ハヤカワ文庫40周年記念に出版された。一言でいうと、すごい作品。なにしろ、この作品は、どうでもいいことだが、実話を元に…

神さまを待っている

「神さまを待っている」畑野智実。 主人公の愛は26歳で、都内のマアマアのマンモス大(たぶん日大?)を卒業したものの就職活動に失敗し、文具メーカーで派遣社員をしていたが、そこで派遣切りに遭う。 もともと収入の少なかった彼女はたちまち困窮し、身の…

湿地

「湿地」アーナルデュル・インドリダソン。 見慣れない作者名であるが、北欧アイスランドの人である。英語圏ではない外国人の名前というのは新鮮さがある。エーレンデュル警部シリーズとして好評を博しているとのこと。 物語の冒頭で、老人が頭をガラス製の…

ダーク・アワーズ

「ダーク・アワーズ」マイクル・コナリー。 昨日はずっと雨。なので、心置きなく読書タイムにする。ずっと「積ん読」だったコナリーを出して読む。 アメリカの年越しでは、ちょいとやんちゃな連中が空に向けて景気づけに拳銃をぶっぱなす。すると、引力の法…

愛と暴力の戦後とその後

「愛と暴力の戦後とその後」赤坂真理。 肩のこらない新書でも久しぶりに読んでみようというわけで。 おもしろそうなタイトルがついているが、つまりは著者が戦後史を自分の目線で見直して、いろいろと思うところをつらうら書き綴ったエッセイである。 著者が…

道誉と正成

「道誉と正成」安部龍太郎。 舞台は太平記の時代。楠木正成の千早城籠城の場面から始まる。正成の巧みな籠城戦は護良親王との密接な連携によって成り立っており、各地で反幕府勢力は相次いで挙兵する。後醍醐天皇を隠岐の島から名和や塩冶らが脱出させ、播磨…

ノクターナル・アニマルズ

「ノクターナル・アニマルズ」オースティン・ライト。 主婦49歳のスーザンは二人の子供にも恵まれ、心臓外科医の夫と幸福な家庭生活を送っている。実はスーザンと夫は再婚同士で、もとは不倫関係だった。スーザンの元夫エドワードは裕福な家庭の生まれで、小…

仮面の告白

「仮面の告白」三島由紀夫。 先日もジャニーズ事務所の記者会見があったばかりで、あまりの悪手に「こりゃもうダメだろうな」と思った。しばらく大人しく嵐が過ぎ去るのを待つ作戦だと思うが、海外メディアを中心に簡単に忘れてくれるわけがないので、そのへ…

星新一時代小説集 天の巻

「星新一時代小説集 天の巻」星新一。 星新一は言わずとしれたショートショートの名手だが、時代小説も書いている。長編の「城の中の人」は名作である。星新一は外出嫌いで知られており、作家の飲み会などに顔を出してもスイッと知らない間に帰ってしまうの…

五十六・isoroku

「五十六・isoroku」柴田哲孝。副題は「異聞・真珠湾攻撃」 主人公は山本五十六。あの連合艦隊司令長官である。アメリカのルーズベルトは、日本人に対する人種的偏見と盟友のチャーチルを救うため、日本に先制攻撃をさせようと圧力をかける。その米国には、…

もう過去はいらない

「もう過去はいらない」ダニエル・フリードマン。 以前に読んだ「もう年はとれない」の続編。引退した88歳の元刑事、バック・シャッツが主人公である。 シャッツのもとに、元怪盗のイライジャが訪ねてくる。自分を保護してほしいというのだ。イライジャはシ…

銭の戦争

「銭の戦争」パク・イングォン。 主人公のナラはソウル大学数学科を首席で卒業し、財閥グループの内定を得た優秀な若者である。ところが、父親が闇金融から多額の借金をして自殺してしまう。ナラは父に頼まれて連帯保証人になっていたため、たちまち追い込み…

ためらいもイエス

「ためらいもイエス」山崎マキコ。 主人公の奈津美は28歳で、都内のテクニカル翻訳のベンチャー企業に勤めている。ベンチャーといっても金はあるようで、高層ビル内に入居していて、他の部署の社員になると名前も知らないくらいの人数はいる。奈津美は翻訳を…

ほかに誰がいる

「ほかに誰がいる」朝倉かすみ。 主人公のえりは16歳の女子高生で、ある日、電車で見かけた同級生のガシュウレイコに一目惚れしてしまう。そのうち、二人は仲の良い友だちになり、一緒にレイコの自宅の近くの公園で深夜に会って話をするほどになる。 レイコ…

紅いオレンジ

「紅いオレンジ」ハリエット・タイス。 物語の冒頭、わずか2ページの不思議な独白から始まる。慎重に首縄をセットし、締め切らないように長さを調整し、テーブルの上には紅いオレンジを切って置いてある。 そこから場面が始まり、主人公のロンドン在住の女…

ダブルマリッジ

「ダブルマリッジ」橘玲。 大手商社勤務の憲一は50歳で、妻里美と大学生の娘マリがいる。里美は元役員の娘で、そのため憲一はエリートコースに乗っていると見られている。 その憲一は急な海外出張でパスポートの更新のために、娘のマリに戸籍謄本をとりに行…

妙麟

「妙麟」赤神諒。 戦国時代に女性の身で一軍を率いて武名をあげた人が何人かいるが、本書のタイトルの妙林尼はその中で有名な人であるらしい。私は寡聞にして知らなかった。 九州大友氏の吉岡鎮興の妻であり、夫が島津氏との耳川の戦いで戦死してしまったた…

オービタル・クラウド

「オービタル・クラウド」藤井太洋。 小説の冒頭で、テヘランの郊外。科学者のジャムシェドが気球を上げて、その動きを手計算で算出する場面から始まる。かの国はインターネットも、科学者が気軽に使えるコンピュータもない。日本の渋谷で「メテオニュース」…

四畳半神話体系

「四畳半神話大系」森見登美彦。 この人の本は、以前にデビュー作の「太陽の塔」を読んで、結構面白かった記憶がある。世間的には高学歴だが、実はイケてない京大生の、バラ色のキャンパスライフとは正反対の鬱屈と自虐が面白かったのだ。もちろん、話はそれ…

叫びと祈り

「叫びと祈り」梓崎優。 2011年このミス国内3位。 ミステリはかなり好きなのだが、最近では海外作品ばかり読んでおり、国内作品はご無沙汰である。なんというか、ストーリーが単線すぎて面白くない(トリックなどは精緻なのだが)と思ってしまうためだ。 し…

サピエンス全史(上)

サピエンス全史(上)ユヴァル・ノア・ハラリ。 この週末は台風の影響で、ずっと今一つの天候だった。そこで自転車趣味はそこそこにして、読書タイムにした。 しばらく前に入手していた本書をゆっくりと読んだ。ずいぶん話題になった本だが、未読だった。(…