Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

2011-01-01から1年間の記事一覧

事件編-義務と権利

長崎県西海市の山下さんは、三女がストーカーにつきまとわれ、その母親まで含めて二人の女性が結局ストーカー男に殺されたという悲劇がおきた。事前に警察に相談したにもかかわらず、警告だけで被害届の提出も「1週間まて」と言われてしまい、その10日後に事…

身動きつかない政策

中小向け返済猶予(モラトリアム)法が1年、延長になったようだ。例の亀井元金融相が制定した法律である。中小企業の足元の景気が厳しい、という認識からであろう。たしかに、政府の認識は間違っていない。震災で需要は冷え込み、特に設備投資関連は壊滅し…

失敗した戦争のあと

オバマ大統領が終結宣言を出して、イラク戦争は終戦ということになった。アメリカは疲弊し、フセイン政権は打倒されたものの、イスラム原理主義者によるテロルが根絶されたわけではない。それどころか、中東はいっそう混乱を深めているようにすら見える。「…

言いなり国家

自衛隊のFX(次期主力戦闘機)はロッキードF35ということになったらしい。読めていた結論とはいえ、いささかがっかり、である。この機体は、当初の候補だったF-22ラプターが高価すぎるので、もっと安い機体ということで開発されたもので、今のF-16の後継にあ…

経済学をつくった巨人たち

「経済学をつくった巨人たち」日本経済新聞社。私は、経済学を専攻したことがない。そのためだと思うが、多くの社会科学といわれるものに対するのと同様、経済学とは疑似科学ではないか、という疑念を常に持っている。数学者のノイマンが経済学の論文を読ん…

日本辺境論

「日本辺境論」内田樹。昨年、大きな話題になった本。しかしながら、昨年は私自身が「日本人論」に飽き飽きしていたところだったので手が伸びず。今頃になって読む。一読しての感想だが、こりゃ面白い。愛国主義的な右翼さんは、きっとこの本が嫌いだろうと…

あんよを抱っこ

寒くなると、猫がやってくる。こちらにくっついて、暖をとろうという算段である。私だって暖かいので、もちろん、猫がひざの上に乗っかったりするのは歓迎である。しかし、それだと、その間何もできないわけで。やむなく「ちょっとごめんね」と立って家事な…

N.Y.P.I

「N.Y.P.I」ジム・フジッリ。主人公はニューヨークの私立探偵である。思春期になりかけた娘と二人暮らし。冒頭、ある画廊のオープンに招待される。その画廊の女主人が知人なのである。ところが、そこで爆発騒ぎが起こる。ほとんどの客が避難できたが、女主人…

数式を使わないデータマイニング入門

「数式を使わないデータマイニング入門」岡嶋裕史。副題は「隠れた法則を発見する」。一昔前になるけど、あるスーパーマーケットの逸話が有名になった。それは「オムツとビールを近くの売り場においたら、売り上げが上がった」というものだった。その解題も…

どっちつかずの敗北

大阪は、知事選、市長選ともに「維新の会」の圧勝に終わった。民主、自民が相乗りした候補(なおかつ、公務員の支持もあつい共産党まで肩入れした)候補者は大差で落選となった。与党は「政党が問われた選挙でない」と、野田内閣初の大型地方選挙の敗北を軽…

老いはじめた中国

「老いはじめた中国」藤村幸義。米国の財政赤字に端を発するドル安危機に加えて、欧州危機まで重なり、世界経済はまさに地獄の縁にいるような状況である。一歩間違えば、おそらく世界恐慌であろう。PIGS(豚)とあだ名されるポルトガル、イタリア、ギリシャ…

ただマイヨジョーヌのためでなく

「ただマイヨジョーヌのためでなく」ランス・アームストロング。自転車乗りには聖典のような本なのであるが、今まで未読であった。なにしろ、ランスといえばツール7連覇である。巨人、大鵬、卵焼きどころの話ではない(ふるいね~)。つまり「憎らしいほど…

「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った?~世界一わかりやすい経済の本

「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った?~世界一わかりやすい経済の本。細野真宏。年金問題も「ミスター年金」長妻氏でもどうにもならないことがわかったので、すっかり国民は興ざめしているところだと思うが、問題は何も解決していないわけであ…

覚悟の人

「覚悟の人」佐藤雅美。副題は「小栗上野介忠順伝」である。小栗は、一時「徳川埋蔵金伝説」で有名になった。幕末の勘定奉行であり、終焉の地が群馬県であるから、彼が御用金を埋蔵したのに相違ない、という話になったのである。しかし、この小説を読む限り…

3月のこと

以前にも、ちらりと書いたことがあるけど、私の知る限り、今の日本のシンガーソングライターでもっとも天才だと思うのは小谷美紗子だ。私はふだん、クラシックかジャズしか聴かない(声楽が苦手)だけど、この人は別格。天才だから。気がつけば10月で、あの…

千尋の闇

「千尋の闇」ロバート・ゴダード。本書はゴダードの処女作なのだが、あまりの出来映えのすばらしさに「ゴダード最高傑作」と言われる。デビュー作が最高傑作というのは、なにやら「一発屋」のニオイがするのだが、ゴダードの場合は他にも面白い小説を書いて…

明日なき報酬

「明日なき報酬」ブラッド・スミス。主人公は元ヘビー級ボクサーのトミー・コクラン。もう3年も試合をしていない。金を使い果たし、相棒のTボーン(黒○)と一緒に、故郷の農場に帰ってきた。すると、妹の旦那が、農場を売却しようとしていることを知る。コ…

汚名

「汚名」杉本苑子。本田正純といえば、徳川家康の謀臣本多正信の子であり、たいへんな切れ者として辣腕をふるった人物である。かの関ヶ原の戦いのとき、家康は父の正信を息子秀忠につけてやり、自分は正純を伴っていた。それくらい、若年から重用されていた…

エンジェルズ・フライト

「エンジェルズ・フライト」マイクル・コナリー。またコナリーを読んでるわけだが(苦笑)扶桑社シリーズがようやく手に入り出したので。エンジェルズ・フライトとは、ロスの高台に作られた高級住宅街へ登るケーブルカーの名前である。そのケーブルカーの中…

証拠

「証拠」ディック・フランシス。主人公はワイン商のトニイ・ビーチ。半年前に最愛の妻に先立たれ、抜け殻のような日々を送っている。そのビーチが、取引先のパーティに酒を納品に出かける。そこで事故が発生、小さな子どもがいたずらして遊んでいた馬車のブ…

外交敗戦

「外交敗戦」手嶋龍一。副題は「130億ドルは砂に消えた」。かつて湾岸戦争の終結時に、クウェート政府は感謝国リストを新聞に掲載した。その中に、130億ドルの巨額な戦費を負担した日本の名前はなかった。屈辱の「外交敗戦」は、いかにして起こったのか?丹…

天のろくろ

「天のろくろ」アーシュラ・K・ルグイン。サンリオSF文庫で昔買ったのを再読。どうやら、復刊はされていない様子である。こんな名作を復刊できないとは、、、出版不況のゆえなのか、あるいは日本のSF文化とは、その程度のものなのかもしれませんなあ。本書の…

ラスト・コヨーテ

「ラスト・コヨーテ」マイクル・コナリー。ボッシュシリーズの未読作品を続けて読んでいる。主にハヤカワミステリ文庫のものである。ハヤカワミステリはかなり迫害されていて、なかなか書店の棚にないのである。古本屋でみつけると、うい嬉しくなるのですな…

人生初の救急車に

こんな経験はしないにこしたことはないと思うのだが、先日、ついに人生初体験の救急車で搬送されてしまった。私には、メニエール病の持病がある。とはいっても、ふだんは、もう意識しない程度のもので、自分でも治癒したと思っていた。メニエール病は内耳の…

蒼穹のかなたへ

「蒼穹のかなたへ」ロバート・ゴダード。丁寧なストーリー展開に定評のあるゴダードであるが、やっぱりこの人は歴史物が強いのだと思う。本作も、決して悪くはないが、どうも私には、もう一つ、物足りなさが残った。主人公ハリーは、50を過ぎてロードス島の…

できるかなV3

「できるかな V3」西原理恵子。もはや一部で教祖(尊敬を集める反面、タチの悪さという意味でも)扱いされているサイバラであるが、サイバラはサイバラなのである。このひとに批評は無用。本書の最大の見所は、なんといっても「脱税できるかな」である。世に…

問題の解決法

福島産牛肉からセシウムが検出された問題ですが、くだんの農家は「牛にたべさせる配合飼料がなかった」とのこと。実際には、配合飼料を買う資金がなかったのかもしれませんし、あるいは「ただちに健康に影響はない」のであれば、藁を与えるのに問題ないじゃ…

それでいいの?

七夕ですが、東京はあいにくの空模様。ですので、時節柄、太陽光発電の話でもしますかね。菅総理が法案成立に力を注ぐ、と言明している(決して辞めるとは言ってないそうです。。。笑)再生エネルギー法ですが、これは、いわゆる電力の固定価格買い取り制度…

夏休みの宿題論

経済同友会の長谷川代表幹事が「縮原発」を提言された。経済界といえば「電気が足りなくなると経済が失速する、原発推進だ!」しかなかったわけなので、大きな転換だと驚きをもって受け止められているようだ。経済三団体の一角を占める同友会の「転向」だか…

WIRED VOL1

雑誌wiredが新装してVOL1が発行された。興味深い特集は「チェルノブイリ25年目の”楽園”」である。特集の巻頭写真は、1988年に発見された突然変異を起こした豚の死体である。足が六本有る。頭部は1つで、胸部も一つなので前足が二本ある。しかし、腹が2つ…