Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

儀式ではないのだから

麻生首相の所信表明は、見事なものであったと思う。例によってメディアは「所信表明ではなくて代表質問」と揶揄するが、そもそも2大政党制における所信表明は、このようなものにならざるを得ないのではないだろうか。だいたい、歴代首相の所信表明は、「儀…

脱出記

「脱出記」スラヴォミール・ラウィッツ。副題は「シベリアからインドまで歩いた男たち」。あまりにすごい副題なので、思わず購入。この物語はノンフィクションであり、著者のラウィッツ氏の回想記である。つまり、主人公「私」はラウィッツ氏自身、だ。著者…

老兵は去りゆく

小泉元総理は、「かねての公言通り」65歳を過ぎて引退を決意されたようだ。この人の生き様は「知行合一」の陽明学派そのものだろう。なんでもかんでも「小泉が悪い」という昨今であるが(苦笑)その小泉氏が宰相に就任したとき、いったい世間はどうであった…

闇の秘密口座

「闇の秘密口座」チャールズ・エッピング。主人公のアレックスはうら若きアメリカ人女性で、スイス銀行でプログラマとして働いている。ある日、古いプログラムの検査中に、ある口座を別の口座に1日だけすり替えて表示するコードを発見。上司は「消しとけ」…

良き独裁

ある日、弟子である私は老師に尋ねた。私 「老師よ、よく政治では民主主義のことを『良き独裁制には劣るが、悪しき独裁制に陥るよりはマシである』などと申します」老師「そのようじゃの」私 「しからば、やはり皆が納得している独裁者であれば、独裁制も悪…

ウェブ進化論

「ウェブ進化論」梅田望夫。みなさんご存じの、2年前の大ヒット本である。ビジネス書ランキング1位だ。しかし、私は、仕事の本は気乗りしない(苦笑)のに加えて、生来のへそ曲がりが災いしてベストセラーは敬遠してしまうところがあり、ずっと「斜め読み」…

昭和史の逆説

「昭和史の逆説」井上寿一。この著者の「アジア主義を問いなおす」を読んだときに、高邁な理想がいかにして悲劇へつながるか、あまりにリアリティのあるストーリーに圧倒されたことがある。同書は、思うところがあって再読し、初読のときとはまた違った感想…

月旦

自民党総裁選で、5人の候補者が出揃った。麻生氏の当確で、あとの4人は「枯れ木も山」とか「次の次狙い」というあたりが、一般的な見方なんだろうと思う。しかし、この5人は、それぞれ政策が異なっていて、そういう目で見ると面白い。まず、与謝野氏だが…

ブルー・ヘブン

「ブルー・ヘブン」C・J・ボックス。物語の舞台はアイダホ州北部の小さな町。母親の再婚相手気取りの男を快く思わない姉妹アニーとウィリアムは、男の釣り道具をもって森の奧に釣りに出かける。そこで、数人の男が、一人の男をよってたかって射殺する現場…

自由という服従

「自由という服従」数土直紀。「「自由だからこそ、人は権力にとらわれていく」という帯のキャッチに惹かれて購入。しかし、なんと本書の結論は「KYはその人の自由だ」というものであった。それだけかよ、と思ったが、やっぱりそれだけである。まず、著者…

国家民営化論

「国家民営化論」笠井潔。祥伝社の新書で、現在絶版となっている、世評も高き名著である。「小さな政府」を、究極にすすめてみたらどうなるだろうか?この回答は、近年アナルコ・キャピタリズムが出している「国家民営化」に行きつく。この思想は、いわゆる…

椿山課長の7日間

「椿山課長の7日間」浅田次郎。ドラマは見ないので、原作を読むだけである。以前から言っているように、私は映像系には興味がない。情報量が多すぎて、すぐ疲れてしまうのである。本を読むのは、そのほうが楽だからだ。こっちのスピードでいいんだからね。椿…

タッポーチョ

「タッポーチョ」ドン・ジョーンズ。副題は「敵ながら天晴れ 大場隊の勇戦512日」。著者のドン・ジョーンズが、懐かしい日本の「大場元大尉」を自宅に訪ねるところから物語は始まる。彼は、大場に、軍刀を返すためにやってきた。そうして言う。「あなたの…

茨の道

福田氏の辞任には、2つの大きなポイントがあると見ます。1.テロ特措法延長のめどがたたない2.公明党の離反まず、テロ特措法の件ですが、この問題は安倍前首相の命とりにもなりました。私は、洞爺湖サミットで福田氏がブッシュ大統領と延長の密約をした…

他人のことを言う前に

突然の辞任表明に驚いた。私もぼろくそ言ったことがありますが(苦笑)思えば、あまりにも恵まれない状況での宰相であった。やめるしかない、というべき状況だったような気がする。それにしても。つい昨日まで「やめろ」と言っていた人間が、本当にやめた途…