Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

2015-01-01から1年間の記事一覧

星を継ぐもの

「星を継ぐもの」J・P・ホーガン。一時期、ハードSFというのはすっかり衰退していたのであるが、本書がきっかけになって復活したといわれるくらいの名作である。物語は、人類の月探検によって、月上で宇宙飛行士の遺体が見つかったことにはじまる。調べてみ…

マイノリティ・レポート

「マイノリティ・レポート」P・K・ディック。映画化された作品が有名なのだが、原作はこのP・K・ディックの短編。例によって、映画は見ていないので、純粋に小説として楽しむ。未来の世界で、そこでは「犯罪のない社会」が実現している。犯罪者はいて、収容…

兄弟

「兄弟」余華。泉京鹿訳。大反響を呼んだという支那の小説。上下二冊800ページを超える大作である。李蘭は若くして未亡人となるが、その夫の死因は、トイレでのぞき見をしていて、肥壺に転落したための溺死だった。彼女は夫を亡くした以上に、恥ずかしさで深…

利休の闇

「利休の闇」加藤廣。「信長の棺」シリーズで有名な加藤廣の作品。非常に面白い小説を書く人だが、実にデビューが75歳である。50、60ハナタレ小僧。どっかの政治家みたいですけどね(苦笑)。本書は、有名な利休の切腹の真相にフィクションで迫った作…

白疾風

「白疾風」北重人。この小説の主人公、三郎はもともと伊賀の忍びである。信長の伊賀攻めで落城を見越し、前夜に逃げ延びたうちの一人である。戦乱の中で親を亡くした幼い姉弟を救い、のち姉のほうと年が離れた夫婦になった。関東の武蔵野で人が住まなくなっ…

正常と異常

どうでもよい話をひとつ。神奈川県海老名市の市議が「同性愛は異常」だとツィートして、かなりのバッシングを受けているらしい。つい最近、渋谷区で同性愛の婚姻証明が出るようになったと話題になったばかりであり、この市議の発言は「差別」だということで…

生きていました

たいへんご無沙汰をしておりました。single40ですが、このとおり、生きております。不在の間、私の安否を気遣う書き込みをいただき、なんと申し上げてよいか、ただただ感謝、土下座。さて、その間に、私の身の上に何が起こっていたか?ですが「一身上の都合…

真夜中の青い彼方

「真夜中の青い彼方」ジョナサン・キング。新人作家のハードボイルドなので、普段は警戒するところである。ところが、本書の帯には「マイクル・コナリーも激賞」と書いてあった。これは、ずるいよ(苦笑)。それなら、読んでみようと。主人公のマックスは、…

スギハラサバイバル

「スギハラサバイバル」手島龍一。著者の代表作で一世を風靡した「ウルトラダラー」の続編。「スギハラサバイバル」とは、リトアニア外交官、杉原千畝のパスポートによって命を救われた6000人あまりのユダヤ人のことを指す。彼らは、ナチスドイツの迫害から…

55歳からのハローライフ

「55歳からのハローライフ」村上龍。55歳を迎える主人公たち連作短編。だけど、みんな55歳ではない。60台の主人公も多い。人生の山を越えて、そろそろ「落ち着き」が出てきたはず、の年齢である。しかし、それは実は、世間が勝手に作り上げたイメージでしか…

二流小説家

「二流小説家」デヴィッド・ゴードン。「このミス」とか「ミステリが読みたい」とかの賞を総ナメにし、映画化までされた(らしい、例によって映画は見ないから)作品である。主人公のハリーは二流小説家だ。いくつかのペンネームを使いわけて、読み捨てにさ…

生食禁止とか

12日から、豚肉の生食禁止だそうである。例の牛レバーで事件があって、レバー刺禁止になっていたのだが、一部の店で「豚生レバー」を提供していたのが原因だそうである。言うまでもないが、豚の生は、非常に危険である。牛どころではないのである。だから、…

子供のころから理屈っぽい

子供のころから、大変な怖がりで、夜になるとトイレに行くのにびくびくしておりました。小学生ならわかりますが、中学生になってもそうだったから、まあ、呆れたもんです。で、ある日、何が怖いのか?と考えたわけです。怖いのはユーレイである、と。ユーレ…

画期的判決

日本の司法も劣化は否めないなあ、と慨嘆することも多いのであるが、画期的判決を下した判事がいるようである。「銀座のクラブママが夫に「枕営業」 妻の賠償請求を棄却」というニュースを読んだ。ようは、男性の某会社社長が、銀座のクラブママと7年間にわ…

被害者は誰?

「被害者は誰?」貫井徳郎。軽いタッチの連作短編集である。叙述ミステリのトリックが秀逸。主人公は、売れっ子作家で顔もスタイルも最高で本人曰く「天才」なのだが、性格は最悪な探偵役と、探偵に翻弄されるワトソン役の後輩刑事である。豪邸の庭に埋めら…

沙中の回廊

「沙中の回廊」宮城谷昌光。この人の支那歴史ものは面白いのだが、本書も例に漏れない。主人公は春秋戦国時代の晋の宰相、士会である。春秋左氏伝にいわく「晋でもっともすぐれた宰相」という。この人は、士大夫の家系に生まれたものの、末子であったので家…

平成経済事件の怪物たち

「平成経済事件の怪物たち」森功。さてさて、ついに本日をもって、5○歳になってしまったわけだ。己を省みて思うが、まさに馬齢を重ねるとは、このことだな。恥ずかしい次第である。誕生日だからといって、若い人みたいに、お誕生パーティをやるわけでもない…

現状維持

ヨソの話なのですが、思いのほか、投票率も上がったようでした。「大阪都構想」の住民投票。結果は、僅差で反対派が勝ちましたね。大阪都構想は、大阪維新の「やりたいこと」そのままですので、これが否決された以上、橋下市長が引退するのも当然だと思いま…

一日江戸人

「一日江戸人」杉浦日向子。惜しみてもあまりある若死とは、杉浦日向子のことを言うのに違いない。もっと早く亡くなった場合は「夭折」というのだろうと思う。江戸文化といえば、余人をもって代えがたい人であった。一時期、結婚をしていた(実際には結婚生…

日本人へ 危機からの脱出編

「日本人へ 危機からの脱出編」塩野七生。塩野氏が、311後の日本人へ向けて書いたエッセイ集。私は、彼女の視点というのは、男よりも男性的というのか、あるいは芯からの欧米流の感性になじんでいる(付け焼刃でない)ものを感じている。本書を読みながら…

首相演説

安倍首相の米議会演説、これは大成功と言ってよいのではないでしょうかね。おおむね、現地のメディアの評価も高いようです。外国の首脳が、上下院合同演説を行うのは、実に70年ぶりのことだそうです。それで、安倍首相は、おそらく充分に「歴史的な意義」を…

トッカン-特別徴収官-

「トッカン」高殿円。トッカンとは「特別国税徴収官」のことである。税金を払わない(払えない)人々から徴収するのが仕事である。本書は、テレビドラマ化されたようだ(テレビを見ないので知らない)主人公は、京橋の女性徴収課員「ぐー子」で、上司がトッ…

連呼

今や、地元は区議会議員の選挙の真っ最中。連日、連呼の車がとおる。「なんだ、名前ばかり連呼しやがって。もっと実のある話をしろ。選挙民を馬鹿にして」と思っていたが、そうでないのだと。走行中の選挙カーから演説をすることは、公職選挙法で禁止されて…

謝罪合戦

ネアンデルタール人が、クロマニヨン人(つまり現生人類)に駆逐されたのは、どうやら否定できない話らしい。そこで、昔読んだ話。星新一だったか?記憶が曖昧である。世界でただ一人、ネアンデルタール人の生き残りが発見される。マスコミは大騒ぎ。彼のも…

国境の日本史

「国境の日本史」武光誠。日本における国境の成立過程を俯瞰した本である。著者が国際法の専門家ではないため、中立的な立場を強調しながら、その立場が変遷してしまうところが面白い。早い話が日本人の考える中立とは「あっちとこっちのナカをとる」ことな…

新小岩パラダイス

「新小岩パラダイス」又井健太。新小岩。東京都区内のはじっこである。しかし、あきらかに隣の千葉の市川市よりもイメージは下(苦笑)。下町とはいっても、両国や深川のような情緒はなく、寅さんで有名な柴又のような呑気さもない。パチンコ屋と安い居酒屋…

リスク 不確実性 想定外

「リスク 不確実性 想定外」植村修。ホリエモン以来だと思うが「想定の範囲内」の対語として「想定外」という語彙が、一般に使われるようになったと思う。もちろん、言うまでもないが、あの東日本大震災のときは「想定外」のオンパレードであった。本書は、…

花桃満開

東京も、急に暖かくなり、我が家の玄関先の花桃がちらほらとほころんだ、と思ったら、いきなり満開になった。今年は、ずいぶん、花が多い。この木がうちのシンボルツリーなので、なんだか嬉しい。この花桃の品種は照手水蜜で、花だけではなくて、小さいが甘…

調子の悪い日

何をやっても調子の悪い日がある。何が悪いわけでもないが、なんだか、集中力が途切れてしまうのだ。今日はそんな日である。こんな日は、さっさと退散して、家でのんびりするに限る。こういうことも、たまにはあるさ。

ドラマのよう

カープの黒田投手、みごと日本復帰して初勝利。「必ず帰ってくる」と言い残し、大リーグで大活躍。そして今年、20億円のヤンキースのオファーを断って、カープに復帰。年俸は1/5になった。「金じゃない」と言った男気そのままに、見事な勝利。いやー、こんな…