Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧

原潜、氷海に潜行せよ

「原潜、氷海に潜行せよ」ジョー・バフ。海洋アクション小説の中で、潜水艦ものって少ないほうだと思う。青い海も白い空もない。ただただ潜って、相手の裏をかいて魚雷を打ち合う。だいたい、沈没だって、潜水艦の沈没は悲惨なのだ。だんだん沈降していって…

雑草のはなし

「雑草のはなし」田中修。昭和天皇陛下は、生物学に造詣が深くあられた。陛下の「雑草という名の草はない」というお言葉は、たいへん有名であります。で、そういう「雑草」の本です。道端に生えている、タンポポだのオオバコだのナズナだのを紹介してありま…

私が殺された理由

「私が殺された理由」アン・アーギュラ。米国には珍しい「輪廻転生」をベースにしたミステリ?オッドとクインは警察官である。ある日、少女を誘拐した(かどわかした)男を引き取りにいく任務のため、シャリッシュ島というところまで行くことになる。そこで…

ナショナリズム

「ナショナリズム」浅羽通明。名著でたどる日本思想入門と副題がついており、ブックガイド的な役割をも果たしつつ「ナショナリズムって何ですか?」という身も蓋もない疑問に応える。勇気ある書だと言えるだろう。著者の「右翼と左翼」もそうだったが、こう…

濃密な時間

会社から帰ろうと思って、空を見た。さっきまで降っていたようだが、小降りになっている。たいしたことはなさそうだ。「よし、行くか」ところが。10分ほど走ってから、雨脚が徐々に激しくなった。自宅まで、普段なら安全運転で30分ちょいの道のりだ。し…

なぜイノシシは増え、コウノトリは減ったのか

「なぜイノシシは増え、コウノトリは減ったのか」平田剛士。これはタイトルの勝利である。思わず買ってしまった。だって、興味をそそられるではないか。本書は、今や日本各地で進められている「自然保護」「生態系保護」の活動の現状を伝えるルポである。も…

勘定奉行 萩原重秀の生涯

「勘定奉行 萩原重秀の生涯」村井敦志。勘定奉行萩原重秀といえば、巨額の賄賂をむしりとり、貨幣の改鋳(改悪)を繰り返した悪党というのが世間相場である。時代劇でよくある悪代官「山吹色のかすていら」を受け取り「越後屋、そちも悪のよう」などという人…

デス・コレクターズ

「デス・コレクターズ」ジャック・カーリィ。30年前に、法廷でヘクスキャンプというカルト主催者が、死刑判決を受けた直後に傍聴人の女(信徒の一人)に射殺される。女も拳銃で自殺。ヘクスキャンプを逮捕し、裁判に立ち会っていたウィロウ刑事は「アート…

バルザックと小さな中国のお針子

「バルザックと小さな中国のお針子」ダイ・シージェ。文化大革命のさなか、下放された中学生2人とお針子の少女の交流を描く。「私」と友人の羅(ルオ)は、まだ中学生であるが、文化大革命のあおりでとんでもない田舎に下放されてしまう。理由は、彼らの両…