Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

2009-01-01から1年間の記事一覧

年末雑感

今年は、実に大変な年であった。長年お世話になり、株式上場までした会社を去らねばならなくなった。この大不況下に新規創業。もちろん、どえらい目にあった(苦笑)。半分やけくそになり、家を買った。実は、勤続年数が重視される住宅ローンと、私の年齢を…

暗く聖なる夜

「暗く聖なる夜」マイクル・コナリー。コナリーといえば、現代ハードボイルド作家の代表格だ。彼の作品は、すべてハズレがない。驚くべきことである。よく練られたストーリー、心に染み入る描写、魅力的なキャラクター造形、リーダビリティの良さ。その上、…

倒立の論理

さきの「ほんとに読んでみた」に関して、読者の方から「憲法の主流解釈について」質問をメールでいただきました。なにしろ、20数年前のできの悪い法学部卒ですから、すぐに馬脚を表しそうですが(笑)とりあえず平易に書いてみます。憲法七条の十に定める…

ほんとに読んでみた

TB先のこかげさんのご指摘どおりであります。さて、小沢幹事長は「君ら、憲法をちゃんと読め!」とおっしゃったので、私も読んでみました。第七条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。一 憲法改正、法律、政令及び…

ナチズムに似たり

支那の習近平副主席に対して、1ヶ月以前という慣例を破って特別扱いしたことが、天皇陛下の「政治利用」にあたるのではないか、という批判がある。これに対する鳩山首相の弁明は、報道によれば以下の通り。「日中関係をさらに未来的に発展させるために大きな…

ミッドナイト・イーグル

「ミッドナイト・イーグル」高島哲夫。映画の原作となった小説だそうである。私は、例によって未見。映像には興味が薄いのだな。。。日本アルプスに、飛行機が墜落する。たまたま、そこに登山で居合わせた戦場カメラマンの西崎と記者の落合は、不審な人物た…

富を「引き寄せる」科学的法則

「富を『引き寄せる』科学的法則」ウォレス・ワトルズ。本書が上梓されたのは1910年らしいので、おそらく、現在残っている最古の「成功哲学」の本であろう。この本は、高名な「と学会」によって、めでたく「トンデモ本」2008年大賞を受賞したそうである。と…

ウルトラ・ダラー

「ウルトラ・ダラー」手嶋龍一。日本初のインテリジェンス小説、というふれこみの本書。なるほど、こりゃ確かに面白いと思った。物語の冒頭は、昭和40年代の日本人拉致事件である。拉致されたのは、若手で腕の良い印刷職人ばかりであった。そして、それから2…

金融VS国家

「金融VS国家」倉戸康行。壮大なタイトルにひかれて読み始めた。が、これは、うまく編集の罠にはまった私がアホであった。つまり、本書には、そんな内容は全然(といってもいいくらい)なかったわけである。どちらかといえば、金融と国家の歴史について、一…

ホントの話

「ホントの話」呉智英。ご存じ、煮ても焼いても食えない極論、暴論の御大、呉氏である。この人のすごいところは、すべて「正論」であることであって、私は氏の書物を読むと「いかに正論というものが奇妙奇天烈なものか」をしみじみと思い知る。そして、つい…

大統領を目指した少年

「大統領をめざした少年」ウォード・ジャスト。少年は、父親と、その友人と、釣りに出かける。そこで少年は初めてのバスを釣り上げる。彼は喜ぶ。しかし、その獲物は、少しだけ小さかった。父の友人はリリースするように言う。父親は、せっかくの初めての獲…

がっかり力

「がっかり力」本田透。著者の「電波男」は「喪男」の側にたった共産党宣言のごとき衝撃の書であった。「恋愛資本主義」なんざ、しょせん「お金とちんちんの競争じゃないか」と断じ、そんなものに価値はない、俺たちは二次元で生きるんだ!と喝破したのであ…

他人に言う言葉と自分が発する言葉

JAL再建問題を、私はたいへん興味を持って見ている。というのも、たぶんこのままでは再建はできないだろう、と思っているからだが。で、ついに収益性を損なっている企業年金を引き下げる方針を固めたらしい。政府は「公的資金を年金にはあてられない」と主張…

戦略の不条理

「戦略の不条理」菊沢研宋。副題は「なぜ合理的な行動は失敗するのか」私は、仕事のことでは常に悩んでいる。今まで、景気なんて論じる資格もない零細企業ばかりを経験してきたから、どっちかといえば「切った張った」の局地戦ばかりやってきた。しかし、そ…

キリストの棺

「キリストの棺」シンハ・ヤコボヴィッチ。私は、かなり昔にテレビでやっていた川口浩探検隊が大好きであった。子供心にも、この番組が胡散臭いことはわかった(笑)。けれども、いいじゃないか。だって、面白いのだ。好奇心を刺激するテーマ、衝撃の自称大…

星守る犬

「星守る犬」村上たかし。naznaさんが上半期ベストコミックにあげておられたので購入。帯には「号泣しました」のような惹句が踊っている。「そうかんたんにはいかぬ、ワハハ」と余裕で読み始めた。で、読了。はい、しっかり泣いてしまいました(苦笑)中年男…

水戸黄門じゃありません

亀井金融大臣発案のモラトリアムだが、昨日の日経によると以下の通り。返済猶予制度の概要■法案(中小企業金融円滑化法案、2011年3月までの時限措置)・対象となる貸し手は銀行や信用金庫などの預金取扱金融機関。借り手は中小企業と、住宅ローンを抱える個…

甲斐がない

民主党も、どうやら貧乏くじを引かされたのは前原国交大臣のようである。ダムに道路、おまけにJAL。もうてんやわんや。早くも「あれはKYではないか」という観測までとんでいるのだが、KYというのは結果が良ければ「信念の人」であり、ダメなら「KY」なので、…

俵屋と柊屋

ミシュラン京阪版が発売になった。まだ買っていないが(買うかどうかも疑問だが)、旅館では柊屋が最高評価。食事も一つ星を獲得したという。順当な結果だと思うし、ついでにいえば、食事はもっと良いのではないかとも思う。京都が好きで、たまに行く。とは…

経済ってそういうことだったのか会議

「経済ってそういうことだったのか会議」佐藤雅彦、竹中平蔵(対談)。ベストセラーになったようだが、初出時に未読であった。今や、すっかり「小泉改悪の下手人」扱いの竹中氏だけど、この本を読むと、全くもって市場原理主義者じゃない。私も、この対談相…

説教強盗みたいな

民主党の来年度予算概算要求は、ついに95兆円を突破。戦後最大となりそうだ。ちなみに、昨年の麻生政権は89兆1494億円。これだって、民主党いわく「選挙対策のバラマキ政策」である定額給付金をもりこんでいるわけだ。つまり「まったく効果のない」バ…

政策論争のデタラメ

「政策論争のデタラメ」市川眞一。著者は外資系金融機関に勤務しており、いくつかの政策論争を取り上げて、そもそも論争がデータをふまえた客観的なものになっていない点を指摘している。であるから、本書は、政策論争に関して、たとえば自民党と民主党のど…

天使と罪の街

「天使と罪の街」マイクル・コナリー。マイケル・ジャクソンと表記するんだから「マイケル・コナリー」じゃないかと思うのだが、まあ、どっちでもいいか。マイケルじゃなく「マイコー」と書く人もいるらしい。確かに、その方が発音としては似ているような。…

追悼

中川昭一元財務大臣が亡くなった。心からお悔やみ申し上げる。トラックバック先のグリフィン通りさんが書かれているように、父上のこととあわせて、なんともむごい感じがした。かくまで、政治の世界は人を追い詰めるのだろうかと思う。手のひらを返すマスコ…

当面杞憂

千葉法務大臣が夫婦別姓に積極的な発言をして、注目を集めているようだ。鳩山首相は「まだその段階ではない」とのこと。まずは順当な判断だと思う。宇宙人といわれるが、意外にまともなところもあるのかもしれないな(苦笑)。ただ、長期的に考えると、夫婦…

とどのつまり

鳩山内閣の「CO2 25%削減」について思うところをつらつらと。それ自体に反対な人はいないだろうと思う。ただ、そのコストやら、実現可能性やら、排出枠取引にからむマネーゲームやらを配慮すると、さてどうかな。。。で、私は槌田敦氏の「環境保護運動は…

本当の潜水艦の戦い方

「本当の潜水艦の戦い方」中村秀樹。著者は、元海上自衛隊の潜水艦長らしい。潜水艦の特性、大東亜戦争における潜水艦戦のデータ分析を行い、その敗因を主に戦略立案の失敗であるとする。さらに、最終章では、現在の自衛隊における潜水艦運用の問題点を指摘…

給与明細は謎だらけ

「給与明細は謎だらけ」三木義一。サラリーマンの給与は銀行振り込みになっている。昔のように、給料袋をぽんと持って帰り、奥さんが「あなた、お疲れ様でした」などという話はないのである。その給与明細であるが、支給額からなんちゃらかんちゃらひかれて…

ジャンプ

「ジャンプ」佐藤正午。つきあって半年のガールフレンド(微妙だなあ。。。)の自宅に、月曜日の早朝の出張が入った主人公の三谷が転がり込む。酒の飲めない三谷は、二人で入ったバーで「アブジンスキー」なる強烈なカクテルを飲んでべろべろに酔ってしまう…

ダークライン

「ダークライン」ジョー・R・ランズデール。13歳の少年が主人公である。彼は、まだ「どうして子どもができるのか」知らないわけである。(笑)家族は、ドライブインシアターを経営して、仲良く暮らしている。50年代のアメリカで、人々は豊かであり、しかし、…