Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

2008-01-01から1年間の記事一覧

ドリームマシン

「ドリームマシン」クリストファー・プリースト。プリーストといえば「逆転世界」とか「奇術師」を読んだのだが、SF的アイディアと描写力がスバ抜けている、という感想をもっている。そのプリーストの「ドリームマシン」が、復刻されたので早速入手。ドリーム…

民主主義とは何なのか

「民主主義とは何なのか」長谷川三千子。我々は、民主主義というものを、まったく疑う余地のない公理として受け入れている。悪人がなぜ悪人と呼ばれるのかは(悪人が政治家であれ悪徳業者であれ)つまるところ、彼が「民主主義」に背いているからである。ま…

おききあるべく

世間では、派遣切りが横行しているようだ。もっとも、企業サイドの言い分で考えれば、こんな時のために派遣会社にお足を払っているんだ、正規雇用の社員を先に減らすわけにいかんではないか、という本音もかいま見える。人件費を圧縮しなければ、生き残って…

ティファニーで朝食を

「ティファニーで朝食を」トルーマン・カポーティ。人は、この映画を褒めそやしますが、封切りは私の生まれる前でありますし、正直、ヘップバーン主演のこの作品を見たことがないのですな。私は、あまり映像に興味がないのです。植物や昆虫を見るのは、なか…

悪の読書術

「悪の読書術」福田和也。だいたい、書評の本の書評をするなどというのは、非常に話がこんがらがってくるのである。最近、身辺に色々とゴタゴタが起きており、みな自分がまいたタネであるから、非常に大変にもかかわらず鬱屈のもっていきようがない。そんな…

嫌煙権類似

橋本知事が「小中学校へのケータイ持ち込み禁止」を打ち出し、賛否両論あるようだ。小学生にケータイはいらない、という意見もあるし、今の時代は物騒だし必需品、という意見もある。私見であるが。どうも、この論争は「嫌煙権」と似ている、ような気がしな…

知恵のある 和の家 和の食 和の暮らし

「知恵のある・和の家・和の食・和の暮らし」魚柄仁之助。魚柄という人は、非常に面白い本を書く。以前に「ひとりひとつき9000円」を読み、その節約ではなくて、発想の豊かさに感激した覚えがある。おまけに、彼のレシピ通りに作ってみた料理が美味かった。…

国際貢献

ダントツのぶっちぎりなソマリアを見ていたら、師匠様がたまたまおいでになったので。私「ソマリア、さすがですなあ」師「うむ。もはや、海賊のほうが国家よりも実力が上かもしれぬのう」私「笑い事でなく、我が国のタンカーも襲われております。自衛隊を出…

堕天使の街

「堕天使の町」サラ・グラン。主人公のジョゼフィンは、かつて麻薬中毒であり売春婦だった。しかし、今では麻薬をやめている。彼女の職業は窃盗や万引であるのだが。その彼女が、ある裕福な夫婦に、失踪した自分たちの娘の捜索を頼まれる。前金は1000ドル、…

まんが勝ち逃げ資本論

「まんが勝ち逃げ資本論」青木雄二。あの名作マンガ「ナニワ金融道」を描いた著者によるエッセイ、のような本。タイトルに「まんが」とあるが、著者自身の挿絵がたくさん描かれているところがミソである。青木氏は「ナニワ金融道」で世に出るまでは、さんざ…

心願成就

麻生総理が「同窓会に行くと、68歳でやたら病院に通っているのがいる。元気に働いて、税金を支払っている者もいる。私は払っている」「たらたら飲んで、食って、なんでこの人達の医療費を負担しなくてはいけないのか。私は払いたくない」と発言し、失言だと…

ケインズとハイエク

「ケインズとハイエク」間宮陽介。副題は「自由の変容」。ケインズのハイエクのそれぞれの主張を「自由論」として読む、という試み。私は、経済学については門外漢である。本書はひどく難しかった。というか、そもそも「ケインズとハイエクの共通点」を見出…

ゴミ袋輪行。。。両輪パンク

世間様は3連休だが、私は連休である。それでも、滅多にないことなのでうれしい。日曜日に、久々の好天に恵まれたので、ランドナーを引っ張り出した。荒川サイで、ロードさん達にさんざんぶち抜かれつつ(笑)途中から比企自転車に入る。土手上のダート経由…

自転車の安全鉄則

「自転車の安全鉄則」疋田智。自転車ツーキニスト疋田氏の最新刊。今や、ガソリン高騰のあおりもあって、首都圏はちょっとした自転車ブームだが、その仕掛人がこの疋田氏だと思う。自転車にとって最大の問題は「いったいどこを走れば良いのか」である。早い…

ハイエク-知識社会の自由主義

「ハイエク-知識社会の自由主義」池田信夫。経済学者にして人気ブロガーでもある池田氏によるハイエク入門本。ハイエクと言えば、いわゆる「保守主義」の総本山と誤解されている向きもあるが、果たして実際はどうなのか。そういう興味で読んだ。ハイエクは…

国際正義の論理

「国際正義の論理」押村高。難解な国際関係論入門を新書にまとめたら、、、やっぱり難しかった(笑)しかし、その原因は、著者にあるわけではなくて、国際正義そのものが難しいのだ、と考えたほうが良さそうである。ちなみに、帯には「アメリカの正義、イス…

消滅の光輪

「消滅の光輪」眉村卓。司政官シリーズの代表作。これを読まずして、日本SFを語れない、というほどの名作。悲しきサラリーマン中間管理職SF(笑)であり、さらに近代人の苦悩、孤独のSFでもある。主人公の司政官マセは、植民惑星ラクザーンに赴任する…

日本の歴史をよみなおす(全)

「日本の歴史をよみなおす」(全)網野善彦。いわゆる「網野史学」の代表的一冊。この人の登場は、まさに彗星でした。すっかりやられた(笑)人も多いと思います。ええ、私もその一人でした(苦笑)網野史学の特徴を一言でいえば、穢多や非人といった被差別…

思惑

思うところがあり、会社を辞めようと考えている。何人かに話した。そうしたら、ちょっと大変な騒ぎになってしまった。「俺の処に来い!」という強引な工作が複数箇所から来るわ、度重なる慰留に遭うわ、、、まあ、すっちゃかめっちゃか、ですなあ。おかげで…

シャドー81

「シャドー81」ルシアン・ネイハム。この作者は、この作品しかない、ようである。その作品が、奇跡的な名作。一時期のダニエル・キイスみたいなもんですな。「アルジャーノン」だけのほうが良かった。後のネタは、正直使い回しじゃん。などと。余計な話で…

乱烏の島

「乱烏の島」有栖川有栖。寡作な有栖川氏の久々な新書(笑)。この人の作品は、いつも高い品質なんであるけど。名探偵(犯罪学者)火村とワトスン役の有栖川は、昔の知己の民宿で休暇を過ごすべく、ある離島にやってくる。ところが「鳥島」を「烏島」と間違…

健全なる精神

「健全なる精神」呉智英。帯には「爽快な笑い」とある。呉氏を表現するのに、たぶん一番ピッタリな言葉だろうと思う。韓国について、例の山野車輪「嫌韓流」について「細かい異論はあるが、大筋で間違いではない」とあっさり書いてしまう(笑)。その上で、…

怒られて良しと

この少年は「冒険」のおかげで、周囲から大目玉をくっていることであろう。拳固の一発二発は当然かもしれん。甘受するしかあるまい。けど、こういう「無鉄砲」のおかげで、世の中が進歩してきたのも事実なのである。たとえば。。。女に振られるのが怖くて告…

午前様

午前様がつづいている。楽しい話ではなくて、納期に追われているのである。それだけではなくて。いろいろ、思惑があって、ごたごたもあって。それにしても。真夜中に帰ってメシを食うと、やっぱり翌日は体調がよくない。しかし、空腹だと眠れないしねえ。や…

本質を見抜く力

「本質を見抜く力」養老孟司・竹村公太郎。副題は「環境・食料・エネルギー」。またすごいタイトルである。本質を見抜く力なんて、そんなものを皆がもったら大変なことになるように思う(笑)。けれども、あの養老先生だから、きっと面白いだろうと思って購…

森林からのニッポン再生

「森林からのニッポン再生」田中淳夫。以前に読んだ「「割り箸はもったいない?」と同一著者による、新しい本。森林テーマを追い続けている著者ならでは、の考察がさすがである。我が国の森林率は67%であり、国土の2/3が森林である。この数字は、北欧…

サブカル・ニッポンの新自由主義

「サブカル・ニッポンの新自由主義」鈴木謙介。副題は「既得権批判が若者を追い込む」である。ついに出た、という感じである。ズバリ、本年度に読んだ新書の中で、この本がベストだ。私が現在「新自由主義」と、「新自由主義批判」に感じている違和感を、構…

分相応

物故した作家で、ショートショートの名手として知られた作家、星新一は、ホテルのバー飲むのが好きだった。その理由を、ある本の後書きに書いている。たしか「安全である」(暴力団の経営するぼったくりバーだった、ということがない)「不明朗な勘定がない…

陸軍中野学校の真実

「陸軍中野学校の真実」斎藤充功。副題は「諜報員たちの戦後」である。諜報員の養成学校として有名な陸軍中野学校だが、その設置期間はわずか7年でしかない。終戦と共に、すべて書類は焼却されてしまったし、そもそも中野学校は教材すら全部回収していた。…

笑うしかない

サブプライム問題のおかげで、どん底に落っこちた米国の金融マンの間で、自虐ジョークが流行っているらしいです。◎「楽観主義の定義は何だろう」「日曜の夜に5枚のシャツにアイロンをかける投資銀行家のことだ」(日曜日にリーマンが破綻したことから。5枚…