Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧

韓国が危ない

「韓国が危ない」豊田在恒。豊田在恒は、SF作家の御大である。エイトマンの脚本を書いていたことは有名だ。斯界では、特に「親韓派」として有名な人物で、ネットで嫌韓の風潮が出てきたときも、これを諫める発言をしていた。隣国について、あまり良い感情を…

うつうつひでお日記

「うつうつひでお日記」吾妻ひでお。「失踪日記」という、おそらく漫画史上に残るだろう名作を書いた、その後の吾妻ひでおの漫画による日記。吾妻ひでおは鬱病なのである。あれは、病気であって、決して本人が怠けているのではない。どうしようもないのだ。…

堕落論

「堕落論」坂口安吾。学生時代に読み、大きな衝撃を受けた。今、思うところがあって、再読。自分が、たぶん、生涯で最も影響を受けた書である。戦争が終わり、義士達は闇屋になり、未亡人は進駐軍と付き合う。亡夫の仏壇に手を合わせることも、だんだん少な…

働くということ - グローバル化と労働の新しい意味

「働くということ - グローバル化と労働の新しい意味」ドナルド・ドーア。最近、格差社会が話題になっているが、それは簡単にいえば「働いても豊かになれない」ことを指すと思って良いだろう。そもそも、働かない人が貧しいのは、ある意味で必然である。まあ…

それはそうだけど。

私は、この件については、ホントに教育現場って「サイテー」だと感じたことだなぁ。なんでかを、まあ、つらつら書きます。あまり整理しないで。ヴォルテールいわく「私は、君の意見には反対だ。しかし、君が反対意見を表明すること自体を封じようとするもの…

閉ざされた言語空間

「閉ざされた言語空間」江藤淳。高名な書物であるが、文庫を見つけたので読んだ。生来の貧乏性で、ハードカバーにはなかなか手が伸びないのである。本書は、大東亜戦争において、GHQが行った検閲がいかに準備され、またどのように実行されたかを、米側の一次…

軟弱者の戦争論

「軟弱者の戦争論」由紀草一。いきなりで恐縮だが、この本はすごい。「軟弱者の平和論」ではないのだ。おそるべき論理のキレである。この本のテーマは「平和主義の矛盾」に関する考察である。まず、冒頭、筆者はこのように言う。「平和主義だから日本の憲法…

スキヤ橋の風景

なにしろ田舎で育ったから、上京して見るものすべてが珍しかった。電車だって、初めて東京で乗った。故郷では非電化だったので(今でもそうだ)ディーゼル車ばかり走っていた。電車の快適なことには心底驚いたものだ。新宿の高層ビルを見て、怖ろしさを覚え…

ソニーを創ったもう一人の男

「ソニーを創ったもう一人の男」大朏博善。ソニーといえば、創業者の井深大、盛田昭夫の二人が有名だ。しかし、実はもう一人、創業直後のソニーに加わった重要な人物が居る。技術畑のトップを務めた岩間和夫である。岩間は東大出身で、戦時中はレーダーの欺…

オウム真理教事件と法律の地平

すでに、大学を出たのが20年前になっている。法哲学のことも、もはや記憶の彼方へ消えかけているし、最近の成果については無知だ。オウム真理教の松本被告の死刑判決が確定した。この事件は、我々に大きな衝撃を与えた事件だったと思うが、私は「法律の地…

殺人者の放物線

「殺人者の放物線」アンドレア・H・ジャップ。ヒロインのグロリアは、大学以前の経歴が一切抹消されている天才数学者。姪の知的障害児クレアを溺愛しながら、政府機関からの依頼でその都度、仕事を行う。彼女への依頼はFBI。連続殺人事件がおきて、女性ばか…

思想信条の自由と信教の自由。

思うところがあり、メモ代わりに書いておく。最高裁判官の名著って「ただの迷著じゃないのか」と思ってしまう。これ↓ニ) 保障の意味 このような思想・良心の自由を「侵してはならない」とは、第一に、国民がいかなる国家観、世界観、人生観をもとうとも、そ…

どっからでもかかってこい!

「どっからでもかかってこい!」日垣隆。こりゃ、一種の「キレ芸」エッセイ、だろうなぁ。面白いことは無類である。ほら、アナタの近所にもいませんかね?「言うことはいちいちもっともなんだけど」「もっともすぎて、ちょっと困るオヤジ」。著者は、もう「…

集団自決の真実

「集団自決の真実」曾野綾子。かつて「ある神話の背景」というタイトルで出版された本の復刊である。沖縄の渡嘉敷島で、大東亜戦争末期に、島の守備隊長であった赤松大尉の命令によって島の住民300名余が集団自決させられた、という説が一般に行われてい…

911とリビアのこと。

911から丁度5年が経つので、テレビでも特集が多い。正直、アメリカのイラク派兵は、大量破壊兵器も見つからず、アルカイダとの関連も怪しくなって、ハッキリしくじったものだと思う。だから、アメリカが戦争を求めるキチガイだという主張をするつもりは…

風の男 白洲次郎

「風の男 白洲次郎」青柳恵介。最近、なにかと評価の高い白洲次郎の本である。白洲次郎は、なんといえばいいのだろうか?生涯、政治家にはならなかったから政治家ではない。東北電力の会長をやったけど、決して経済人ではない。金儲けがうまかったとか、金儲…

日本の誇るSTAX

勤務先の会社が上場したとき、自分の記念にと思いSTAX社のヘッドフォンと専用アンプを買い求めた。私が音楽を聴くために使っている部屋は、三畳しかない。陋屋アパートでも、専用部屋を持てるだけは幸せなので、別段文句はないのだが。しかし、夜遅く帰宅し…

ドラマ・シティ

「ドラマ・シティ」ジョージ・P・ペレケーノフ。主人公ロレンゾは、麻薬販売の罪で刑務所で服役し、出所後は更生を目指して動物管理局で働いている。市民から通報を受け、虐待されている動物を保護するのが仕事である。保護された動物に、適当な飼い主が現れ…

殿様の通信簿

「殿様の通信簿」磯田道史。『土芥寇讐記』という、現存すでに東大図書室に一冊という「公儀隠密の報告書」を紹介した本である。これは面白い。水戸光圀や池田の馬鹿殿様、「日本一短い手紙」で有名な本多作左右衛門などが出てくる。私が一番興味深く読んだ…

おめでとうございます。

紀子様、無事に親王様をご出産。いやぁ、おめでとうございます。ところで、私にも弟がいて、子どもが二人。二人とも女の子。私は、二人の姪の叔父である。もちろん、姪っ子は可愛いので、なんの文句もあるわけじゃない。が。ここは、秋篠宮様にあやかって「…

失踪日記

「失踪日記」吾妻ひでお。この本はマンガである。昨年のマンガでは、おそらくもっとも賞を多く受賞したマンガである。吾妻ひでおは、まさに天才だ。本書は、著者がある日原稿を落として「ちょっと出かけてくる」と言って失踪してから、ホームレス生活、ガス…

照柿

「照柿」高村薫。濃厚とんこつスープに背脂ちゃっちゃ系小説。もちろん、ラーメン小説ではありません。主人公野田は、高校を出て17年間、まじめに地元の工場で金属加工(高周波焼き入れ)の仕事をしている。ある日、昔、結婚前につきあった女、美保子とばっ…