Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

名をこそ惜しめ

「名をこそ惜しめ」津本陽。高名な時代劇作家は、果たして大東亜戦争屈指の激戦をどう描くのか?そんな興味で読んだのだが、さすがに迫真の描写はすさまじく、圧倒的な筆力を感じた。硫黄島は栗林中将による後退配備と肉弾戦で、米軍史上最大というべき大出…

花桃が咲いた

長かった寒い冬もおわり、いつの間にやら桜も散っている。我が家の玄関先の小さな花桃がようやく咲いた。うちの花桃は遅くて、桜がなくなったころに咲くので、うまい具合に目立っている。春がきて、季節だけはすすんでいく。私は、相も変わらず、花の咲かな…

イントルゥーダー

イントゥルーダー。高嶋哲夫。この人は、アメリカのシナリオライターのような小説を書く人だと思っている。良くも悪くも、きっちりと受けるパターンを知り尽くして小説を書いているのだな。そういう意味では、日本の作家=「表現者」というイメージよりは、…

マラキア・タペストリ

「マラキア・タペストリ」ブライアン・オールディス。サンリオSF文庫、絶版。サンリオ再読シリーズも、ぼちぼちおしまい。最後はやっぱりオールディス。ディックは、いっぱい再版されたからねえ。舞台は並行次元のなかの中世都市、マラキア。なぜか、しょっ…

修羅場のマネー哲学

「修羅場のマネー哲学」木戸次郎。副題は「1億5000万円の借金を9年間で完済した男」90年のバブル崩壊で、日本の株式市場は音をたてて下落。そのとき、著者は証券マンだったが、他人名義で株式運用をしていた。総資産は実に6億円。毎日豪遊していたわけであ…

杜松の時

「杜松の時」ケイト・ウィルヘルム。サンリオSF文庫、絶版。大学時代に読んで、なにやら大きな衝撃を受けた「杜松の時」である。アメリカ女流SFの、たぶん最高峰、K・ウィルヘルムの、おそらくベストワン作品だろうと思う。近未来の世界。世界は干ばつで大不…

HARLIE

「HARLIE」デヴィッド・ジェロルド。サンリオSF文庫、絶版。大学時代に読んで、面白いと思った本。久しぶりに再読したら、やっぱり面白かった。主人公はオーバースン。心理学者で、仕事はなんとコンピュータの教育係なのである。というのも、彼が勤務する会…

行かずにしねるか

「行かずにしねるか」石田ゆうすけ。実に7年5か月をかけて、世界一周を自転車でやった著者の手記である。こういう本は、たいがい面白すぎる(笑)まず、いくつかおさめられている写真がすごい。ぼろぼろの自転車は、まさに「道具」そのものだ。趣味の対象で…