Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

味噌も糞も一緒

九州電力に始まった再エネの接続保留であるが、太陽光を除く地熱、バイオマス、小水力については個別協議が始まったようである。
それはいいんだが、その条件が「は?」なのである。

なんと、個別協議の条件が「昼間、電気を流さないこと」なのである!?

九電の言い分としては、昼間は太陽光があるから、電気が余剰なのであろう。
それ以外の時間帯なら買いたいとうわけだ。

しかし、である。
バイオマスは火力発電だから、それは構わないが、地熱や小水力はそうはいかない。これらの電源は、常に発電を続ける電源である。いわゆるベースロード電源になるものなのだ。

太陽光や風力のような不安定な電源のため、系統連系が難しくなる。それは理解できる。

しかし、「再エネ」を十把ひとからげにして、地熱や小水力に「昼間は遠慮しろ」とは、いったいどういう理屈であるか?
その一方で「原発はベースロード電源で重要」だというのである。
こういうのを、味噌も糞も一緒という。

日本は抜群に停電が少ない。しかし、それはそれだけ、系統のマージンがとられていることを意味する。
事実、日本の系統連系費用は、ドイツの2倍以上である。

しかも、各電力会社は、伝統的に自社内だけで系統を構築するのである。広域連携が使われていない。
九電が電気が余っている一方で、中電や関電は不足気味という事態が起こってしまう。
じゃあ隣に回せばいいじゃん、と思うのだが、そうはいかないのだ。
東日本大震災のときのような非常事態になると、広域連携されるのだが、ふだんは使用していない。

最大の問題は、電力会社が系統連系データを独占しており、外部に公開しないことである。
電力会社が「系統に余力ありません」と言えば、それでおしまいなのだ。
有識者員会が何を言おうとも、データを独占しているのが電力会社だから、全部言い返せるというチート状態である(自社に不利なデータは出さなければいいだけ)。

必要なのは、系統連携のデータを公開させ、系統の余剰マージンを把握して、広域連携を使うことなのである。
しかしながら、政治家は誰もこれを言い出さない。
地元に利益がない上に、そもそも不勉強なのである。

昔、海軍と陸軍が互いにまったく協力せず、同じ特許をドイツに買いに行き、ヒトラーにすら呆れられた、ということがあった。
今の電力会社も、まったく同じなのである。
骨の髄まで派閥の論理、なのだ。

こりゃだめだな。。。