Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

証拠

「証拠」ディック・フランシス。

主人公はワイン商のトニイ・ビーチ。
半年前に最愛の妻に先立たれ、抜け殻のような日々を送っている。
そのビーチが、取引先のパーティに酒を納品に出かける。
そこで事故が発生、小さな子どもがいたずらして遊んでいた馬車のブレーキがはずれ、坂からパーティ会場に転げ落ちて大惨事となる。
目撃者となったビーチだが、ここでジェラルドと名のる人物と顔見知りになる。
彼の職業は、私立探偵であった。
ビーチは、あるレストランで出されたワインとウィスキーが偽物であると気づく。
そこで、パーティでの惨事のときに知り合いになった警部に、利き酒の能力を買われて、捜査協力することになる。
偽ワインを出していたレストランのウェイターは、生きたまま顔に包帯を巻かれ石膏で固めて殺される。
このレストランに酒を納品していたタンクローリー会社から依頼を受けていたジェラルドの話を聞いたビーチは、ますます捜査にのめり込むが、ジェラルドともども散弾銃で撃たれて負傷する。
それでもめげずに捜査を続けるビーチとジェラルドは、ついに偽ウィスキー事件の犯人を見つけた。。。

ディック・フランシスは昨年亡くなった。残念なことであった。
競馬シリーズで、舞台が競馬場のミステリを書き続けたわけだが、この人の魅力は競馬の描写よりも、登場人物のいかにもイギリスらしい含蓄の深いセリフ回しである。
古き良き英国の世界にどっぷりと浸れるので、ノンビリと過ごす休日の読書にはピッタリである。
本書も、その期待を裏切らない。
評価は☆☆。

最近、日本酒を飲むのが少しつらくなってきて、ワインにすることが多い。
私は甘い酒がダメなのだが、辛口の白ワインというのは、なかなかうまいもので、魚介にも合う。
最近では、チリや南アフリカなどの第三世界のワインが、安くて品質も良いので人気なのだそうだ。
たしかに悪くない。おまけに、体質なのかどうかと思うが、翌日も楽である。
これでは、日本の醸造業が没落するわけである。まともな純米酒をつくってこなかった積年のたたりであろう。
ワインに「アル添酒」なんて聞いたことがない。

しかし、いい年こいた中年(そろそろ初老というべきか)の男が、猫を相手にしながらワインをちびちびなめる図なんてのは、どうにも格好がつかないものだなあ。
猫は、ヘンなものを呑まないで、とっとと寝ようと催促する。電灯を消せ、と目をしばしばさせながら、ニャアニャアと泣くのである。
はいはい、わかりましたよ。
夜更かしして酒を飲むのは、ほどほどにしないといけませんなあ。いくら自宅だと言ってもねえ。