Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

WBC最終戦を見て。

WBCの初代王者には、目出度く日本がつくことになった。
何よりも嬉しかったのは、試合に臨む選手がみんなひたむきであったことである。例によって、きわどい判定もあった。しかし、日本もキューバも、みな判定に異議なく従って、まさにフェアプレーで戦い続けた。好守、美技が連続した好ゲームだった。
あきらめないキューバは、実に強かった。日本は、全員が心を一つにした「つなぎ」に徹するプレーでこれを破った。誠に日本らしい勝ち方であった。

キューバは、社会主義国であるが故に、米国から参加を疑問視されていたのである。それに対して、WBCで得られた収益金があるならば、カトリーナ台風の被災者に対して寄付するからと申し出て参加することを得たのだ。キューバの監督は語っている。
「我々は金のために戦っているのではない。我々は、国の威信のために戦っている。」「年俸が高いから強いのではないことを見せたい」と。
たしかに!そのとおりの素晴らしいプレーを、金のためでないプレーを見せてもらった。
カストロ議長は、帰国した選手団に対して「全国民がテレビを見ていたから、停電になるんじゃないかと心配だった」と笑いを誘いつつねぎらった。貧しさをジョークにしてしまう、カストロは大人物だとつくづく感じ入ったなぁ)

そして、日本選手も、金のためでなく、日本の「日の丸の重さを背負って」プレーした。相手が国の威信を賭けてプレーしているのに、当方がそれを賭けぬのは卑怯である。当たり前のことだ。
イチローは、今大会を通じて「日の丸をこの会場で見ることは特別だ」という「愛国発言」を繰り返した。
彼は政治家ではない、野球選手だから、このような発言をしても問題にはならなかった。だけど、政治家がそれを言えば問題になる。実におかしな国だと私は思う。

もう大会が終わったから、書いてもいいだろう。
韓国戦で、韓国選手は、幾度も日本ベンチに向かってガッツポーズを繰り返した。勝利をあげると、太極旗をマウンドに突き刺した。
イチローは「屈辱的」だと語った。
日本が勝った韓国戦では、アナウンサーが「試合後、韓国選手の健闘を讃えなかったから残念」だと述べた。彼は試合の何を見たのだろうか。

キューバは、一度も日本ベンチに向かってガッツポーズをしなかった。
日本選手も、一度もキューバに向かってガッツポーズをしなかった。最高のプレーをする相手同士、おのずと礼はある。
試合が終わって、日の丸を持ってきた日本チームは、マウンドにつきたてはしなかった。代わりに、マウンドに日の丸をかけて、丁寧におおったのである。野球の神聖なマウンドに対する敬意であった。

試合が終わり、キューバ選手と健闘をたたえ合い、イチローキューバ選手と並んで写真を撮っていた。お互いに笑顔であった。なんて素敵な光景だろうか!

終戦が、こんな素晴らしい国と国の試合でよかった、と私は思った。「金のためでない、祖国の威信のため」というキューバこそ、まさに礼にふさわしい立派なチームであった。

そして、もちろん、こんな素晴らしいチームを送り出した日本に生まれて、私は大変嬉しく思うのである。だって、私は、日本人なんだから。