そして、いよいよ日光月光さんと対面。思ったよりも大きなものであった。
見学者は多数であったが、博物館側の工夫で、ちゃんと見られるように展示してあった。
なるほどねえ。
日光様と月光様。全く雰囲気が違う。同じようなポーズ、同じような背格好でいらっしゃるのに、なんという不思議か。
日光様と月光様。全く雰囲気が違う。同じようなポーズ、同じような背格好でいらっしゃるのに、なんという不思議か。
日光様は、ふわりとした笑みをたたえている。暖かい雰囲気がある。拝見していると、なんだかこちらもふわりと良い心持ちになる。
月光様は、静かにたたずんでいる。考えているのでないが、深く瞑想していらっしゃるように見える。こちらの心も、なにやら鎮まるような雰囲気がある。
日光様と月光様の間を行ったり来たり。うろうろとして過ごす。
どうやら、私は日光様のほうが好きであることがわかった。
いろいろ、迷うこと、いきづまり、も実は多い。不惑を過ぎた男なんて、そういうものだと思う。いよいよ己の力量の限界も見えてくるし、一方では求められる責任も増える。
有り体にいって、無理である。大声で「諦めた」とは言えないが、小さくため息をつく。自分にぼぞぼそと言い訳をする。そうして、毎日暮らしている。
有り体にいって、無理である。大声で「諦めた」とは言えないが、小さくため息をつく。自分にぼぞぼそと言い訳をする。そうして、毎日暮らしている。
そんな私を、日光様は「まあ、力を抜け」とおっしゃる。無理は無理だろう、仕方がないじゃないか。それでも、捨て鉢になることもないだろうよ。そのうち、風が吹くこともあるさ。なければないで、ないなりに暮らしていけばいい。
見上げていたら、なんだか、そんな気がした。