今夜はクリスマスイブなのだが、私は若かりし頃は、この夜が大嫌いであった。
ときはバブル。どいつもこいつも、クリスマス前に「相手」を確保するのに走っており、なかには「クリスマスイブが終わった途端に別れる」奴までいた。単なるイベント要員ということである(苦笑)
だいたい、山下達郎の「クリスマスイブ」は、クリスマスの前に振られた男が一人のクリスマスを迎えるという失恋の歌なのに、それがJRのCMでは柱の影からやたらかわいい牧瀬里穂がニッコリ出てくるのも癪に障ったものである。そう、すべては「嫉妬」のなせるワザなのだ。どうせオレは小さい男なのだった。
だいたい、キリスト教というのも気に食わなかった。やれクリスマスだバレンタインだ、はては結婚式にまで出てくる。いずれも若い男女のリア充イベントである。
評論家の呉知英が「仏教のことを葬式仏教とバカにするが、ではキリスト教はなんなのか。クリスマスイブだのバレンタインだの結婚式だの。あんなの、お◯んこ宗教ではないか」と、これも八つ当たりのようなことを書いていて、腹を抱えて笑った一方で大いに納得したものであった。
時は流れて。
すでに、当方も還暦すぎた。つまり、まあどうでも良くなったのである(笑)。
しかし、である。少子高齢化が叫ばれ、このままだと、我が国が存続することすら危うい状況である。あのバブル世代の、何が何でも恋人がいなきゃならん同調圧力はすこぶる不快だったが、ひょっとすると、今こそ、あの圧が必要なのではあるまいか?各業界があげて若い男女をその気にさせる(苦笑)、、、まあ、そんな努力も必要なのかもしれないと、実は若かりし頃とは真逆のことを思うようになったのであります。。。