自民党総裁選に立候補している河野太郎氏が「マイナンバーを利用して、各省庁でバラバラに管理されている所得情報を一元化し、特別徴収をやめて、ゆくゆくは全国民に確定申告をしてもらう」という案を披瀝して、大批判を受けているらしい。
が、私は個人的には、この案に賛成だ。
まず、米国人はすべて、個人で確定申告をしている。米国だけではなく、実はほとんどの国で「自分で確定申告をする」(共産主義国はたぶん例外)。世界的に見て、日本のように「会社で特別徴収」している国は、すごく例外である。
自分で確定申告をしてみるとよく分かるが、税金といい保険料といい「理不尽なほど高い」と思う。私のごとき、庶民でさえそうなので、高収入の人になると、もはや「税金を払うために働いている」状態になるのである。で、それでも税金を払わないのはれっきとした犯罪になってしまうから、仕方がないので納付書をつくって自分で金融機関に払いに行く。なにか考えると腹が立つから、そのときは無念無想でエイヤっと払うのだ。無念を噛みしめるのは、払ったあとになる。
こういう経験をすると、いきおい、税金に対してナーバスにならざるを得ないわけだ。アメリカ人がなんであんなに大統領選挙に熱狂するのか?といえば、それは税金に直結するからである。トランプになれば税金が安くなる。しかし、今の社会保障で助かっている人は、そういう部分は削られるので、民主党を支持する。当然だが、みな、自分の利権(言葉は悪いけど、そうだ)を守るために、より得があるほうを真剣に考えるのだ。
私は、日本の投票率が低いのは、特別徴収制度があって「なにかわからないけど、手取りがいくら」しか考えていないためだと思っている。自分で確定申告をして、自分で税金を払えば、いやでも政治が「金を取り上げるシステム」が本質であり、「巻き上げられる金額」と「還元される金額」のバランスの問題であることを、肌で実感するに違いない。古来、歴史上「政権」とは「税金を巻き上げることができるもの」を指す言葉で、イイクニつくろう鎌倉幕府が1192年でなくなったのは、守護地頭を設置して「鎌倉が税金を巻き上げられるようになった」時点で幕府成立とみなすことになったからであある。そういう歴史上の変更も、自分で金を払ってみれば「そりゃそうだ」と納得できるというものだ。
日本人が覚醒するためのアイディアとして、悪くないと思うのである。まあ、河野太郎が実際に何を考えたのか、それは知りませんけどね(苦笑)