Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

PSE法経産省ビンテージリストの不見識

PSE法で、いわゆる規制対象外の「ビンテージ」リストが発表された。
このリストは、不見識である。

だけど、このリストには「Mcintosh」も「MARK LEVINSON」も「MARANZ」も「QUAD」も書いてない。国産の「LUXMAN」も「SANSUI」もない。
ビンテージといっても、楽器だけ。オーディオ製品はない。

電気の知識があれば、こんな不可解なリストはないよ。
電気ギターのアンプは、増幅率がオーディオアンプとは桁違いに高い。つまり、真空管にしろ、トランジスタにしろ、オーディオアンプよりも遙かに高電圧をかける回路になる。コンデンサも高耐圧のものを使う。つまり。イカレていた場合に、より危険なのである。
楽器用アンプをこれだけ認めるならば、オーディオ用はすべて認めてしまわねば、モノの理屈に合わない。

どうせ、どっかの楽器屋で聞き取りしただけでつくったリストなんでしょ?買い取り価格が相場で決まっているもんなぁ。それをリストに載っけて一丁上がり。経産省なんて、気楽な仕事ですなぁ。

こういうのを、不見識と言うんだよ。

だいたい、役所が「ビンテージ」つまり骨董の価値を決めようと言うわけだ。
「これはタダの中古品」「これはビンテージ、つまり骨董」だと。
はっきり言って、大きなお世話である。
それは文化に対する冒涜だろう。
タダの中古品なのか、それとも歴史的名機であるか否かは、買う人間が決めれば良いことだ。ある品物は、Aさんにとってはボロであり、Bさんにとっては宝物だ。それが当然なので、何も偉いお役人様に決めていただかなくて結構だと思う。
ほっとけ。

私は、誰も見向きもしないレコードプレーヤだって宝物だと思うことがよくある。だって、今では、もう生産してないんだから。二度と手にはいらない、これからだんだん故障して、世の中から失われていく一方なのだから。
そういう品物を手に入れて、秋葉原で部品をあさって、自分でこつこつと修理してみたりする。うまく修繕できて、元通りに元気に動いたりすると大変嬉しい。

古い電化製品に価値を見出すのは文化である。古い品物は、手をかけてやらねばならないことが多いけれど、それをするのも文化である。安全の問題ではなくて、扱う人が見識があれば、宝モノになるし、そうでなければゴミとして捨てられる。それは、一人一人が自分で判断して決めればいいことだ。

この法律は、やっぱりいかんと思うがなぁ。