Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

ジョエル


表参道のジョエル。すでに開店以来、26年目のフレンチレストラン。
もう、フレンチ好きの人の間では、有名すぎるほどのお店だ。文字通り古典である。

そういえば4月なので「アスパラガスの季節だなぁ」と思って出かけた。
前菜は予定通りにホワイトアスパラ。メインは子羊のローストにした。

すごく立派なアスパラは、茹でるのに時間がかかるから、ゆっくりと食前酒のグラスシャンパンを飲む。ワインは、アスパラに合わせて、白のヒュメにした。このワインは、日本酒党の私も感心する、香りが高くて口当たりの良いタイプ。あまり重厚な奴は好きじゃないので。

アスパラは、昔のパリッ子がやっていたように、古式にのっとり「手づかみ」で食べる。だから、フィンガーボウルがあるんですね~。こういうオールドスタイルなところが、このレストランの魅力かなあ。何しろ、26年前と同じレシピでやっているんだから。シェフのジョエルさんも「変える必要はない」と思っているんだろうな。それが、このお店のすごさ。

最近、グルメ雑誌とかで、ニューオープンのお店とか、某外食グループ、観光グループの店がたくさん出ている。たぶん、ライターなり出版社と関係があるんでしょう。それはそれで、流行のスポットという奴も嫌いじゃないけど。

だけど、私は、雑誌なんぞに滅多に出ない(宣伝する必要がない)長くひとつのところで営業しているお店のほうが好きである。本当に良いものは、ちゃんと残ると思っているからだ。派手に宣伝して有名シェフの名義貸しでオープンして2年で廃業、みたいなお店が多すぎる。店に行ってもシェフの姿も見ない。そんなお店にお金を払うのは、ちょっと悲しい。

メートル氏は「近所に表参道ヒルズができて、しばらくは忙しくなりました。だけど、最近は落ち着いてきています。いつものジョエルです」と笑っていた。でも、昨夜はお客さんは結構入っていたな。みんな、きっともっと若かりし頃の記憶をもってらっしゃる、相応に年配のお客さん達。
お店の立地は雑居ビルの2階で、アプローチもわかりにくい。(だいたい、クラシックフレンチの店の1階がカレーうどん屋さんだもんなぁ)だけど、知っている人たちは、ときどき思い出して訪れる。
行けば、懐かしい味がそのまま、量もそのまま(笑)再び味わえる。年をとって食べる量が減ってもお構いなし。これぞフレンチ!この店は、それでいいんだと思う。

いつまでも、いつまでも、ここでずーっと営業していてもらいたい。ジョエルはそんなフランス料理のまさしく名店なんである。
私ごときが、どうこう評価する対象の店ではないのだ。