昨日、記事にした地獄の江東15区でありますが、さらに話題になってしまっている話がある。ある候補者による、他の候補への選挙妨害、である。
江東区長が異例の声明を出し、選挙妨害について警察も含めて慎重に対処を検討しているようである。
実は、私もその事態を目撃したのである。維新の金沢候補の選挙カーが支持を訴えて走っていたのだが、それにピッタリ追走して、別の候補者の選挙カーが走っている。その追走する選挙カーが、すごいヤジを飛ばすのである。「維新は国を亡ぼすぞ、売国奴!みなさん、維新は売国奴です、維新が当選すると、江東区に中華街ができます!」などと叫んでいる。見れば、その選挙カーは、某泡沫候補のもので、ふだんはへたくそなラップをがなり立てているアレであった。候補者でなければ、選挙妨害で即対処されるところである。
ところが。
問題は、このヤジ飛ばし人物も、候補者であることなのである。つまり、選挙活動中の候補者の言論の自由は、何よりも守られねばならないからだ。政見放送で、その規定を逆手にとって放送禁止用語を連呼する人物などがいたりするのは周知のとおりである。
しかし、候補者による、他の候補者への執拗なヤジという事態は、まったく想定されていないのである。ヤジ飛ばし候補者が「これもオレの選挙活動である」と主張されたら、かなり面倒なのだ。選挙活動中の言論の弾圧。そういう話になるとまずいので、慎重に対処するしかないわけである。
しかし。この人物、下手なラップといい、他候補への執拗なヤジ、演説の妨害行為(金沢候補だけでなく、ほかの候補者も続々やられている)といい、承認欲求をこじらせた困ったちゃんにしか思えないのだ。この自分の欲望のみで他の状況が目に入らない人物に、日本国の政治を託して、この国の未来が良くなる図が1ミリも想像できないのだがなあ。
で。そんなことを思いながら歩いていたら、どぶ板をして歩いている須藤元気候補に遭遇した。「あ!有名人だ」と思ったら、私の視線を感じた須藤候補は素早く駆け寄ってきて「よろしくお願いします」と頭を下げて両手で握手。さすがに、そつがない。
それで思った。選挙において、名前も知らない人を相手に駆け寄って頭を下げることができる、それがわかれば、まず最低限の常識はあろうと思うわけだろうと。
政策よりも人柄で当落が決まってしまうことも多いのが選挙の実態ですが、なるほど、そういうこともあるのかなあ、と。
いずれにせよ。野次馬根性で開票を楽しみにしてしまう、衆愚の自分なのであります。