Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

産学協同

先日、ある大学のインキュベーション制度による産学協同でスタートした会社のセミナーに行ってきた。
ある通信技術に関する応用事例の発表である。

大学も、法人化されて大変なのだ。企業と一緒に「役に立つ研究をすれば儲かる」というわけで、いろいろな活動をしているようだ。

で、このセミナーだけど。
正直「どうしようもないな。」と思った。
企業がセミナーをするときは、それこそ必死になるものだ。だって、お客さんのほうから足を運んでくれるわけで、そんなチャンスを逃すはずがない。自社の製品の特徴がどこで、いかに優れているか、飽きさせないように興味をひきつつ説明をする。2時間を、きちんと退屈させないで聞かせるのだ。

しかし、この会社はダメ。全然甘い。こんなのじゃ、全く通用するはずがないよ。寝てる参加者が一杯いる。特徴がわかんない。事例に説得力が無くて、タダの自慢話に聞こえる。そうじゃなくて、いかに皆さんの得になるかを説明しないと。ただの自己満足だよ。

ちょっと名刺交換をして聞いてみたが、まだ全然利益は出ていないという。当たり前だ。学生のお遊びではない。世間を舐めてるのじゃないか。

というか、逆である。
早い話が、「儲ける」ことは、民間に勝手にやらせときゃいいと思うのだ。今ここに儲かりそうな技術があるとする。すると、会社は黙っていても、なんとかしようと必死になるもんだよ。
大学は、大学である。
大学の本分は「学問」である。別に儲からなくても良い、物の道理を追求するべきであろう。
もともと儲ける目的で設立されたわけじゃない大学に、金儲けをしろという話はないと思う。
そんなことをしてもらわなくても結構である。
学生さんは、役に立たなくても良い。役に立たないから尊いので、目先の利潤を追求するのに浮き身をやつすのは卑しいことというべきである。

学生のお遊びでするのは、是非くだらない研究にして欲しい。「そんなものを研究して、なんの役に立つのですか」などという愚問に付き合う必要はない。それが分からないから研究ではないか。

産学協同なんて、それこそ悪しき資本主義的な発想の権化だよ。

学生が会社はやらないほうが良い。どうせ、イヤでも働くことになるのであって、学生ビジネスで才能を発揮するような奴は、どうせろくな人間じゃあるまい。学生企業出身の企業家連中の品の無さは救いがたいものだ。人間の品格を磨くべき時期に、金儲けばかり考えることはないだろう。

当社も産学協同の話が来た。シルバー世代の関連のテーマを選んだ。どう考えても、我が社が儲かりそうにない話で「どうせ、ドブに捨てるカネだろう。その範囲で資金を拠出しよう」と決まった。

そんなものである。こと商売について、大学に期待するわけがない。
大学は、大いに役に立たないことをやってもらいたいのだがなぁ。