Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

床の間派対実走派

自転車趣味のなかで「床の間派」と揶揄される一派がある。
自転車部品も、往年のフランス製などは、大変な値段がするものなのである。別に、性能云々ではない(と思う)。一種のアンティーク趣味とでもいうか。
であるから、そのような高額かつ貴重な部品を組み付けた自転車を、ガンガン酷使するわけにはいかない。錆でも出したら一発で骨董変じてクズ鉄並だ。
それ故、大切な自転車を「床の間」に飾って、ぴかぴかに磨き上げ、眺めて悦に入るわけである。
これが「床の間派」である。

対する「実走派」とは、この正反対で「自転車とは、走ることと見つけたり」なんてものである。ヒマさえあれば、雨さえ降ってなきゃ、自転車の上で生活することを信条にしている。当然、年間走行距離の長さとか「あそこは走った」「あそこも走った」と言うのが自慢で、パーツは基本的に消耗品と心得ているのだ。
最近のパーツは、安いスポーツ用の最低グレード(シマノ SORA)でも8速SISだよ。昔とは比べものにならない。

私は、基本的に実走派である。だいたい年間5000キロくらいだが。
それが、最近「床の間派」の気持ちが分かるようになってきた。
年をくって足が回らなくなっただけじゃない(だいたい、前から遅いもんなぁ)

最近、自転車ブームなのか、通勤路でスポーツ車を見かけることが増えてきた。それ自体は良いことだと思うのだけど、車道の逆走、信号無視、歩行者に迷惑をかける走行も目立つ。
なんでそうなるかというと、彼らが好きなのは「スピード」なんだろう、と思う。あるいは、便利さ(コンビニエンス)かもしれない。

私は、自転車が好きなので、スピードやコンビニエンスに価値を見出しているわけじゃない。純粋に自転車が好きなのである。当初は、もちろんスピードもコンビニエンスも魅力だったけど、だんだん、どうでもよくなった。

そう考えると「床の間派」なんて、ある意味では純粋に自転車を愛しているわけだ。ふむ。。。
もちろん、身体が動く間は「実走派」で生きたいと思っているけど、まあ、床の間趣味を揶揄するのはやめよう、と考えた次第である。