Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

私が殺された理由

「私が殺された理由」アン・アーギュラ。

米国には珍しい「輪廻転生」をベースにしたミステリ?

オッドとクインは警察官である。ある日、少女を誘拐した(かどわかした)男を引き取りにいく任務のため、シャリッシュ島というところまで行くことになる。
そこで、オッドは非常に不安定になる。彼は、なんと自分の前世を思い出したのだった。その前世で、彼は「少女」であって、しかも殺害されたのである。
前世で、オッドとクインは仲が良かった。だから、二人は、現世でも同じ警察に勤務することになったわけである。
自分を殺したのは誰か?当時の記憶を覚えている老人達をまわる、奇妙な捜査が開始された。そうして、すっかり記憶がよみがえってきて、犯人があきらかになる。

米国ではキリスト教の関係で、輪廻転生は「カルト」の一種である。
キリスト教では、神の祝福を受けた者だけが「永遠の命」を得る、ということになっている。それまで、人の死はかりそめの眠りであり、最期の審判を待つわけである。
それが、もしも輪廻転生などしてしまったらどうなるだろう?審判を受けるまでもない。ちょっと都合が悪いわけだ。

しかし、ニューエイジ運動や臨死体験などを通じて、実は「輪廻転生」があるのじゃないか?という話がじわじわと広まり始めている。教会にとっては異端だが。そういう動きが背景にあって、書かれた作品なんだろうな。

評価はナシ。
う~ん。。。ミステリとして読むと、ちょっと物足りない。「壮大なトリック」「意外な犯人」みたいな物語性に乏しいからね。
輪廻転生譚として読むと、これはまあまあなんだけど、あまり感動がない。日本人にとっては、特に驚きじゃないからなぁ。宗教観の違いでしょうなあ。
しかし、こんな本を読んでみると、「無宗教」だと思っている日本人にとっては「ホントはどうしようもなく日本人的な宗教観」が自分にある、ということを発見できるかもしれない。
そういう意味では、ま、ヒマがあれば読んでみてもいい、とは思う。

しかし、もしも死んで生まれ変わって、またこんな苦労をするのかと重うと、人生は修行そのものであることだよ。イヤだが。で、そんなことを思う魂であったので「まだ修行がたら~ん!行ってこい、愚か者めが」ということで、オンギャーと生まれてしまったのではないか、と。今のところ、私はそういう解釈なんですな。やれやれ。
頑張ります。。。