Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

雑草のはなし

「雑草のはなし」田中修。

昭和天皇陛下は、生物学に造詣が深くあられた。陛下の「雑草という名の草はない」というお言葉は、たいへん有名であります。

で、そういう「雑草」の本です。道端に生えている、タンポポだのオオバコだのナズナだのを紹介してあります。たいへん楽しい。

まず、口絵がよろしい。豪華なカラー写真のページで、そういう草がたくさん載っている。それが、みんな見たことある顔ばかりです(笑)
春はタンポポ、レンゲ、ハルジョオン、ワラビ、スギナ、カタバミシロツメクサアカツメクサ
夏はツユクサネジバナ
秋はヒガンバナ、萩、ススキ。葛。キキョウ。オミナエシ
冬はロゼットで越冬するノゲシやギシギシ、スイバ、アレチノギク。

テーマの面白さと文章もよい。「雑草」に対する愛情が感じられます。ふむふむ、と読みながら、たいへん楽しい。「つまらないもの」という意味で「イヌ」がつく、なんて命名の由来も面白いですなあ。「イヌタデ」とか「オオイヌノフグリ」とか。ひでえ名前ですわ(笑)

評価は☆☆。一家に一冊、あってよい本ではないか、と。

日本は、ほうっておくと、すぐに「雑草だらけ」になります。当たり前だと思ってはいけません。世界には、ほうっておけば砂漠になってしまうような国のほうが多いのですね。
「雑草」は、やがて枯れて土を作ります。すると、土が厚くなり、木を育てる。
日本の思想の特徴は「する」じゃなくて「なる」なんですが、それは「生る」つまり、ほうっておいても草が生えてくる豊かな国土が背景にあるわけですなぁ。

で、わが陋屋の玄関先に生えているタンポポの花をめくって調べました。どうも、タンポポのくせに、やけに遠慮して咲いてる風情があるもので、変だと思っていたら「西洋タンポポ」ではなくて「関東タンポポ」だとわかりました。
なんと、タンポポまで「国粋主義」だったわけです(笑)似たもの同士が近所に住んでいた、というオチでありました。