Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

反転-闇社会の守護神と呼ばれて

「反転-闇社会の守護神と呼ばれて」田中森一

評判の一冊。ううむ、こりゃ面白い。
内容は、つい先日、上告が棄却されて有罪が確定した筆者の自伝、というところ。
もともと、長崎の平戸の貧しい家庭に生まれた著者は、苦学して岡山大学を卒業後、妻の支援を受けつつ司法試験に合格。そのまま検事になる。
検事時代は、辣腕を発揮し、重大事件で次々容疑者を自白に追い込み、ついに東京地検特捜部に配属、いわゆる特捜検事となる。
しかしながら、特捜部においても、政治家や官僚の意向によって捜査が左右される有様を見ることで「すべての捜査は国策捜査である」と思うようになる。
そして、家族の反対を押し切って検事を辞職、弁護士に転ずる。いわゆる「ヤメ検」である。
検事時代からの人脈がものを言って、大企業や政財界の有名人の弁護士となる。許永中や高橋治則(イ・アイ・イ代表)イトマンの伊藤寿永光。光進の小谷光浩。そして、山口組若頭の宅見組長。
本書で、筆者は「日本の国のエスタブリッシュとアンダーグラウンドは、深く結びついている」と指摘するが、その具体的なありさまを赤裸々に描いた迫力は比類がない。

評価は☆☆☆。こんな本は、おそらく20年、30年に1冊だろう。おもしろいこと比類がない。一気に、引き込まれるように読んでしまう。

検察の内部抗争らしきもの、事実上の捜査指揮、警察の腐敗ぶり、そして部落解放運動のエセ同和運動に対する既得権益化など。
すごい話が山盛り。

実は、警察と暴力団、というのも、実は結構根が深いもので。
私は、実は、とんでもないルートから、ある話を聞いたことがあって「ああ、やっぱり事実なんだな」と思った。
だけど、とても書けない。
墓場に持って行かなければならない秘密って、やっぱりあるもんなんですな。