Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

何を今さら、の今さらぶり

ぶっちゃけて言えば「政治とスポーツは別」なわけがありません。
かつてのソウル五輪は、韓国の躍進を象徴するイベントでしたし、さらに遡れば日本の東京五輪もそうでした。ただ、こんな抗議の風景はなかったですが。
さらに時代を遡ると、あのナチが演出したベルリン大会こそ、政治ショーそのものでありました。
こういう事例をいちいち取り上げて「過去の歴史に学ばない人々」と批判することはたやすいのですが(笑)なにしろ流儀に合わぬもので(苦笑)。

ともあれ、「政治とスポーツは別」という主張自体は「政治的発言」以外のなにものでもありません。そもそも、中共自身が五輪を政治宣伝したかったのですから。今や、大誤算(笑)

ただ、この発言にもう一丁「政治とスポーツと経済」の三題話をやれば、なお「べったり」が明快になると思います。
そもそも、IOCが2001年に北京五輪の開催を決めた理由自体が「中国が金儲けに都合が良く、これから中国市場が伸びるから」ですし、この北京五輪をスポンサードする企業の判断も同様なのです。
そうであるからこそ、いわゆる「経済人」なる連中が、こぞって言うのは

「何を今更ボイコットだ?中国がこうなのは、前から分かっていたことじゃないか」

という開き直りです。
震源地は大前研一あたり。尻馬に乗りたい某有名左派ブログも同様なのですが、左派のくせに巨大資本の主張を支持してどうする?(苦笑)それに、自称経済人という連中がちらほら。

話は単純です。
「2001年のIOCの決定は、そもそも間違いだった」
これだけです。金に目がくらんだ決定だった、ただそれだけ。

当たり前ですが、問題になっているのは「基本的人権」です。たとえばコソボ問題と同列に語れないのは、「自治権」の問題ではないからです。
チベット人が「独立」を主張するのは、彼らの基本的人権が侵されているからであり、今の中共政府が彼らの基本的人権を守る意思を持たないからです。
この区別は明快なものです。
ある地域が独立するか否か、それ自体は自治権の問題として議論の対象になる場合がありますけれども(私は、チベットに関しては議論の余地もないと思いますが)しかし、基本的人権が損なわれている場合は、そもそも議論となるべき話ではありません。「そのようにした」現政府は、批判を受けてしかるべきです。

経済人どもの言う「今更なんで」の批判の頓珍漢ぶりは、基本的人権という「金で買えないもの」を、金儲けの機会だけを考えて、過去の結論を正当化しようという姿勢そのものにあります。

ですから「今更」ではありません。間違っていたのは「今まで」です。今の状況を見れば、子供でも分かる理屈であります。
チベット独立運動は、規模こそ違いますが、毎年繰り返し行われており、その都度弾圧を受けております。なのに、こんな国で五輪をやろうとした、そのこと自体を反省すべきじゃないですか。

もっと言えば、たとえば保守派は
「あんな国でオリンピックなんて、とんでもない。」
と以前から指摘しつづけてきたわけですよ。
「ほら、言ったとおりじゃん」です。

何を今さら、なんて、なんで今さら言い出したのか?(苦笑)ということですなあ。