Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

大金持ちをランチに誘え

「大金持ちをランチに誘え」ダン・ケネディ

先日読んだ「究極のセールスレター」が非常に参考になったので、この本も購入。いやあ、ネットってホントに便利ですなぁ。
とはいえ、これじゃあ町の本屋が苦しくなるわけか。

で、本書はケネディ先生の成功哲学本である。
もっとも、何が人生の成功であるか、いろいろ議論はあるわけで。ケネディ先生の成功はズバリ「お金持ちになること」である。その理念は、本書のはしばしにある「有望なビジネスを育てて、大手企業に売却し、マイアミでのんびり暮らす」人々を「成功者」と単純に呼ぶことからもわかる。
世の中、実際のところ、お金がなければ不自由である。お金があれば自由で幸福だとは言えないだろうが、少なくとも不自由からは逃れられよう。
ちなみに、単に「金持ちになる」ということを目標とすることについての批判は、つまりは「お金がない」という事態を避けるという「マイナスの動機」であることで、たとえば「健康について」とか「平和について」とかと同じである。
「お金の不足」を回避することが目的となってしまう奇妙さは、「病気の回避」だけが目的となってしまう健康だとか「戦争の回避」だけを目的としてしまう平和だとか、と同系列である。
つまり、ほんとうは「その後どうするのか?」のほうが、遙かに問題だという意味で。

まあ、それはおいといて。
ケネディ先生の主張は、ただ1点である。それは「まず動け!」ということだ。「アクション!」「ジャストドゥ!」と繰り返す。
嘆き、心配するまえに、まず行動したのか?
ある事柄でうまくいかないときに、そこに全力を尽くしたか?をケネディ氏は問題にする。もちろん「闇雲に、無駄な努力をしろ」ということではない。有用な方法を知ることも「アクション!」のうち、なのだ。
あることについて知りたかったら、その世界で成功している大物に話を聞け。そのためには「大金持ちをランチに誘え」
彼は、大金持ちだ。その彼に、ランチをおごるなんて、馬鹿馬鹿しいことだとあなたは思うかもしれない。しかし、事実はそうではない。人は誰でもランチを食べるものだし、そのランチ代で有用なアドバイスを聞き出せれば、こんなに安いものはない。
問題は、世の中で「彼が豊かで、彼がおごるべき」という考えじゃない。「私が豊かになるために、私は何をすべきか」である。
誰にも批判されなかった人物の銅像が建つことはない、とケネディ氏は言う。
なにもせず、批判だけした人の銅像は建たない、批判を受けた人物の銅像だけが建つのだ。

評価は☆☆。この爺さんの「アツさ」には、恐れ入るほかない。全編が、見事なアジテーションである。

それにしても。
冒頭から「パンフレット1枚に書けることだが、本当にそうしてしまっては、誰も(有り難く)読まないし、私の会計士も怒るだろう(つまり、お金にならないから)とぬけぬけと言い切る著者には、思わずニヤリとさせられる。
氏は言う。
「もしも貴方が収入を増やしたいと望むなら、あなたのすべきことは、政府になんとかしろと文句を言うことではない。。。鏡で自分の顔をじっとながめながら、自分に何ができるのか、何が出来るようになったら、自分の価値があがるのか?を自分に問いただすことである。。。自分の価値を3倍にできれば、収入は2倍になる」
激しい言葉である。そして、なかなか難しい言葉である。
しかし、たしかに、それが出来なければ、事態はなにごとも解決しないだろう。
勇気をもって自分の人生を切り開いていきたい人には、なかなか示唆に富んだ書ではないかと思う。オススメである。