Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

ベストプライス

福島原発の2号機、3号機もメルトダウンだと、ようやく歯切れの悪い発表があった。ご丁寧に「チャイナシンドロームになることはありません」との説明つきである。
その口は「圧力容器、格納容器は問題ありません」と述べていたわけである。
まさかチャイナシンドロームはないと思うが、今更ながら、まったく信用できない。
救いはようやくIAEAの査察を受け入れることである。
なにしろ、今回の原発事故では、日本政府と日本のマスコミの発表がもっとも信用ならないとわかったわけで、外国が来てくれると安心するわけだ。
いったい、誰のための政府なんだかわかりませんなあ。

その一方、とうとう2号機3号機の汚染水の移送を中止したという。集中処理施設が満水になってしまったわけである。
注水すると、汚染水がだだ漏れで、その汚染水を処理施設に移すと満杯。じゃあ汚染水をどうするの?となる。
まったく「いっぱいになったくみ取り便所」と同じ状態で、そりゃあ早いところ「くみ取り」しなきゃいけないのだが、困ったことにその汚染水をどう処理するか、となる。
これは早々に東電がギブアップした問題で、仏アレバの技術を使うしかない。
で、そのコストだが、1トン2億円という噂がある。
今の汚染水は3号機用が4000トンで満杯だから、これに2億円をかけて、、、8000億円ですな。
で、どのくらい汚染水があるかというと。
2号機用が1万トン。2号機の建屋と地下坑道が2万2千トン。同じく3号機の建屋と地下坑道が2万5千トンだそうだ。
これだけでざっと6万1千トンですか。
6万1千×2億円=12兆2千億円ですな。
さらに1号機と4号機も、、、はあ。

で、さらに真偽不明の噂では、仏アレバのアンヌ社長「大量受注ですからお値引きを」と、「出精値引の御見積」との説もある。
¥10、000、000、000、000-。
私は数え直しましたよ、ええ。
「10兆円」です。ベスト・プライスである。

この金額であるから、そりゃアレバの社長も日本にわざわざ「トップセールス」のためにやってきたわけだ。
むべなるかな。

この価格だが、ベストプライスだと言うのには理由がある。
なにしろ、「相見積」をとれないらしいのだ。高濃度汚染水の処理は、アレバしか技術がない。
とすると、、、はい、「高い」も「安い」もないわけですねえ。言い値=OK、しかない。

で、この見積もりを飲めば、東電の純資産2兆5千億、総資産12兆も視野に入ってくるわけで、賠償額も勘定にいれると、はい、債務超過でアウトである。
アウトになった会社が賠償できないので、結局、国民の負担しかないでしょうねえ。

原子力のおかげで、電力が安定供給できて、日本人は経済成長の恩恵を受けることができた。
しかし、それは、ちゃんと返済をしなければならないものであったようである。

借金しても、それ以上に儲けるのが商売というわけで、それ自体がダメというわけじゃない。
しかし、原発事故を収拾できない国の「技術立国」って、いったい誰が納得するであろうか?

CODEX基準に基づく農作物輸入制限を緩和しろといって、そりゃ「風評被害」じゃなくて「内政干渉」である。
「規制を緩和」などという手が、国際社会で通用するわけがないでしょうが。相手はなんでも素直に言うことをきいてくれる日本国民じゃないのだぞ(苦笑)

おもえば、311までは、日本製品の品質「日本ブランド」は、大変な信頼があったものである。
そのブランド毀損による被害総額は、いったいどのくらいだろうか。
東電は、避難民の皆さんや、農家の方々に被害を及ぼしただけではない。国際社会における「放射能垂れ流し国家」として、日本自体のブランド価値を毀損したと考えるべきなのである。
そして、今の経済では、単に機能ではなくて、ブランドのほうが、より高い価値のあるもののはずだ。
つくづく、困った事態だと思うのである。