Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

誤用がひろがる

文化庁国語に関する世論調査」で、言葉の誤用が広まっているという調査結果が報告された。

以下引用。



「にやける」。
本来の「なよなよとしている」という意味で使っている人が14.7%だったのに対し、「薄笑いを浮かべている」と答えた人は76.5%に達した。

 慣用句についても、「本心でないうわべだけの巧みな言葉」を、本来の「舌先三寸」と答えたのは23.3%だったのに対し、本来でない「口先三寸」は56.7%。「快く承諾すること」も、本来の「二つ返事」が42.9%だったのに対し、「一つ返事」は46.4%で、本来の使い方をする人の方が少数派だった。




私も「にやける」は誤用しているなあ。
「口先三寸」は使わない。
「一つ返事」に至っては、聞いたことがないんだが、、、しかし、そんなこともあるのかもしれない。

私は、この種の誤用には寛容である。
だって、しょせん俗語で、そのまま定着することは、少ないように思うからだ。
好例は「お安くない」である。
他人ののろけ話を聞かされると「お安くないぞ」と昔はいった。
これは、のろけ話を聞かされたほうが、話したほうに食事をおごらせる風習があって、その代金が「安くない」つまり、御馳走をおごれ、という意味である。
同じ風習から、のろけ話を聞くと「ごちそう様」という。
「お安くない食事をごちそう様」つまり、先手を打っているのである。
しかし、肝心の「のろけ話をきかせたら食事をおごる」風習がなくなってしまい、この言葉も今やほぼ死語である。
俗語とは、そんなものなのだ。

もっとも、少々困る例もある。
「気のおけない友人」は、もとの意味は「なんでも打ち明けられる親しい友」のはずが、最近の若い人になると「信用できない奴」になるらしい。だから「この人は、僕の気の置けない友人で」と若者に紹介すると「ははあ、信用できない人物なんだな」と逆に解釈される。困ったことである。

もっとひどいのもある。
有名なので「すべからく」がある。
自称インテリさんが、「すべからく」を「すべて」の高級な表現だと思って使うことである。
読んでいると恥ずかしい。身もだえするくらい、恥ずかしい。
言うまでもないが「すべからく」は「べし」を強めるためのかかり言葉のはずである。

つまり。
別に俗語がいけないというつもりはなく、その時の言葉として使えばいいが、俗語ではないと思って高級な言葉を使ったつもりで誤用するのはチョー恥ずかしいので、そんな勘違いがないように、せめて聞きなれない言葉を使うときにはすべからく辞書を引くべし。

ま、そんなふうに思うのですなあ(笑)