Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

リスクオフで円高

カリアゲがグアムはやばいと思ったのか、日本を飛び越える形でミサイル発射。
これを受けて、円が全面高となりました。
「日本が脅威なのに、なんで円高?」と思われる向きもありましょうが、これには2つの理由があります。

第一に、リスクオフというのは、あくまでドルをベースに判断されるということ。
北の挑発というのは、投資家にとってはドルの危機、という解釈で捉えられます。
円がどうなろうが、そんなものは基本的に眼中にありません。
「円の価値」なんて、世界経済から見たら、ドルがイトーヨーカドーだとすると、せいぜいオーケーストア程度のものでしかありませんよ(苦笑)
ドルを売って円を買うので、そういう動きになるのですな。
「円」を中心に考えるから「日本にミサイルが飛んできたのに円が高い?」と思うのであって、ドルを中心に考えればドル安局面というわけです。
すごく簡単にいえば、円のことは忘れていいわけですね(笑)。

2つめに、日本株の下落予想があります。
通貨としては、円高ドル安にふれるわけですが、日本株は下がります。
ミサイルが飛んでくるということは、直接の戦争はもちろんですが、防衛体制の整備その他で経済ではなく軍事に政府のお金が使われると予想されます。
当然、経済活動にはマイナスですので、株価が下がるわけです。
下がれば、その企業の株を買ってしまおう、と考える人も出てきます。
日本株を購入するには、円が必要ですね。
ですので、ドル資産を売って円に持ち替えて、下落した日本株を買うわけです。
値が戻したところで売れば、大もうけになります。

ドル資産の売却をすると、戻ってきたドルで円を買って、円で調達した株の資金を返済します。
今は日本の金利は安いので、円建てで借金をして、米国に投資をしています。これが円キャリートレードです。
その借金を返済するので、円を買う=円高になるのです。リスクオフによる円キャリートレードの解消、というわけです。

基本的に、以上が有事の金融の動き方で「円高、株安」になります。

この続きを想像すると、もしも日本にカリアゲが核攻撃をしたら、猛烈な円高ドル安になります。
日本株は悲惨な有様になって、買いたたかれることになるわけです。
と同時に、米ドルの下落はどこまでいくか、わからなくなります。同盟国の核攻撃に何もしないとなれば、米ドルは紙くずですね。
アメリカの経済は崩壊します。
ですので、もしも米国大統領が米国経済を救おうと考えるなら、核報復を行うのが第一の選択肢になるわけです。まあ、通常戦力による占領などもあり得ます。
こうなれば「有事のドル買い(米国が戦争に勝つという予想)」となってドルは戻します。
ドル防衛が国家防衛とイコール、というのが今のアメリカの姿です。
国際決済通貨であるからこそ、ドル札という紙切れを印刷して、世界中から富を買い集められる(だからこそ米国民が暮らせる)わけですので。
単純に「米国民を危険にさらしてまで、米国が報復するか?」という懸念を示す人がいますが、国際金融のファクタを考慮に入れていますか?
米国経済が崩壊したら、それこそ大統領は持ちませんので、私はむしろ米国大統領は報復に追い込まれるだろうと考えています。

ミサイルは落ちてきませんでしたが、良い有事のシミュレーションになったんじゃないでしょうかね(笑)