Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

下流社会

下流社会三浦展

結論から言えば、駄本だと思う。(あらら。。。)この本が売れているのだそうだ。ふ~ん。。。

まず、著者自身の収集データをもとに、今の日本が「格差が拡大して」「固定化しつつある」ということを説明している。えんえんと。

それで。なぜ、そうなってきたのか?何が、その問題なのか?に関する考察はほとんどない。

たとえば、青を多用した絵画があるとしよう。
すると、「なぜ、画家は青を多用したのか?」に踏み込むのが評論であろう。「青がたくさんです!」といって終わる解説があるもんか。この本は、まさにそれである。

巻末近くになって、やっと解説が現れる。それによると
「教育の完全機会均等を実現すると、全く言い訳のきかない、自分のアタマが悪いだけということになり、過酷な社会で、、、、優生思想にいきつくおそれがある」からなんだそうである。それより「悪平等思想」のほうがいいのだそうだ。やれやれ。
「上流の師弟が官庁や大企業に入る社会」のはイケナイ、というのだ。
よほど、階層が固定化しているのは、この筆者のアタマの中身であろう。

あのなぁ。能力というのは、それが発揮されて能力なんだよ。今は、たとえば学校の試験が上手だと有利だけど、戦国時代なら腕力と狡猾さがあるほうが優秀なんだろ。優秀か否かというのは、社会状況が決めることで、その社会は変化するでしょうが。本人が今は有利な能力があるといって、別に「ああ、そうですか」しかないのじゃないか。
たとえば、銀行やら保険会社やらどんどんなくなったし、たぶんこれから官庁もばしばしつぶれますよ。そこに「優秀な人材」が必要ですかね?たとえば、官庁にとっての「優秀さ」は、どれだけ公共のために尽くす心があるかどうかで、試験ができる人が行く必要はないし、ホントに優秀な人物なら、民間で活躍した方が得な社会をつくればいいだけでしょ?
ずーっと「階層が固定化」してるのは、あんたのアタマの中身なんだってばさ。
いまだに「官庁大企業=上流」「その他=下流」の意識だってこと。あああ。。。

もっと言えば、別に無気力だろうが、結婚しなくたって、子供をつくらなくたって、そんなの「下流」と非難されることじゃないだろう。なんてイヤらしい価値観だろうと思う。

こんな本が売れてるのかなぁ。ううむ。。。。

という訳で、評価は無印。
これじゃあ仕方ありませんがな(^_^;)