Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

タイタンの妖女

タイタンの妖女カート・ヴォネガット・Jr。

かの村上春樹氏が「インスパイアされた」(笑)カート・ヴォネガット・Jrの出世作
そういえば、村上春樹氏がデビューしたとき、小説好きの仲間内で「ヴォネガットそっくり」「というか、まんまやんけ」と話題になったなぁ。本人が「インスパイアされた」と言っちゃあお話にならんわけであるけどさ。

ちょっと世をすねた若者が「人間なんてさ~」といいながら、実は諦めきれず、成仏できない有様をSFというジャンル形式をかりてぐだぐだと書いた小説。
まず、実際に愛犬と一緒に「神」になってしまった奴がいて、そいつが大富豪コンスタントという人物を駆使して人類の目的を達成させようとするのだ。愛にあふれた神様のおかげで、もと大富豪ははちゃめちゃな目にあってしまう。火星にとばされ、記憶を消され、水星に送られ、わけのわからん現地生物とアタマの体操を行い、地球に行ってみんなから追放されてタイタンへ行き。

大学時代に読んだが、今ひとつピンと来なかったのか、齢40を過ぎて再読したわけだが、やはりピンと来ない。
わかった。つまり、私はほぼ20年間、なんら進歩していないということである(苦笑)。

どうも、シニカルなユーモアと言う奴が肌に合わないらしい。いや、シニカルなユーモアが嫌いなわけじゃないんだが、キレがないとイヤなのだ。
このカート・ヴォネガット・Jrという人の小説は、たいへんキレが悪い。というか、キレの悪さが売り物だから(笑)

およそ考えてみるに、たぶん自分が自分に対して一番イヤだと思っている部分を見せられてしまう気持ち悪さ、があるのだと思う。
村上春樹なんぞ、まったくその通りだから(ヴォネガットに”インスパイアされた”ことを別にしても♪
)読まないもんねえ。

こういう小説を「面白い」と思って読めるのは、大変幸せなんだと思うな。

評価は無☆。
こういう不幸な小説は、自分には必要ないので。
どうせ、わけわからんまま生きて、ある日とうとうくたばるのが人生なんである。で、そっから考えるわけで。その前提のところで、いろいろ考えてもムダじゃんか、と思うのだ。私は日本人らしく、その根本部分では疑問を持たないことにしている。
知ったことじゃないぜ、へへへ、、、というわけである。