Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

自殺を防ぐために

我が国では、ここ数年3万人を超える自殺者が出ている。史上もっとも豊かな時代に住むことによって、かえって人が救われないのは悲しいことだ。

政府は「自殺防止対策基本法案」を成立させた。

だけど、ホントにこの法律が効果があるんだろうか。

サラリーマンの過労死による自殺などでは、やはり雇用者に対して厳しい処置をする必要があるわけだが、そういう問題は「自殺防止対策基本法案」ではなく、まず労働基準法の穴をふさぐこと、そして労基法をちゃんと運営することが必要だろう。法律があっても、仏作って魂入れずじゃ仕方ない。実際に労働者が駆け込んでからはじめて、やっと動き出す労基署の仕事の仕方に問題がある。しょせん親方日の丸。労働者が何もいってこなけりゃ、ハナから仕事なんぞする気がないんじゃないか?
労基署職員自身は公務員であって、解雇の苦しみも過剰労働も無縁なのは皮肉なことだ。

さて。
もう一つ、言いたいのは「事業に失敗して自殺する人」をどう防ぐか、の視点である。
なんで、、事業に失敗した人が自殺を図るのか、考えてみてもらいたい。
事業に失敗したことが悲しいから、人は自殺するのではない。またビンボーだから自殺するのではない。
政治家なんぞにわからんのじゃないか?
問題は「保証人」なんだよ。
人は、借金しても自殺はしないが、「自分を信じてくれた人に迷惑をかける」それがいたたまれずに、自ら命を絶つのだぞ。
もしも「自殺防止対策基本法案」があるとしたら、それは「保証人制度の根絶」しかあるまいと思う。
自由主義経済において、チャレンジャーは絶対必要なものだ。自ら業を起こそうとした人たちを保護せずして、どうするのか?
安部官房長官は、「再チャレンジ支援」を考えるという。実に大事なことで、私も趣旨には大きく同意する。
けど、人間、死んじゃったら再チャレンジもくそもないでしょうが。
一番大事なことは、まず死なないこと。保証人制度、これこそ自由経済のガン細胞である。カネがモノよりも大事だった時代は、それでよかった。しかし、もはや通貨の流通量全体で、モノの売買に使われるのは3%程度(諸説はあるらしいが)と言われている。もはやカネのほうが多くなった時代だ。社会全体を見たところで、そこまで貸し手を保護する法的利益があるのだろうか、と思う。

私がかく申すのも。経験があるからである。
もちろん、自慢にゃならぬが。

死んじゃったら何もならない。慌てなくても、人は必ず死ぬものだ。あわてなさんな。そのうち、また違う目が出るかもしれん。そうならなくても、もともとだ。

「自殺防止対策基本法案」をつくったところで、自殺はおそらく、大して減りはしないだろうと思う。それよりも、現行の法のどこが人を死なせてしまうのか、ちゃんと考えてもらいたいと思うのだ。