Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

病気にならない人は知っている

「病気にならない人は知っている」ケヴィン・トルドー

全米で200万部のベストセラーとなった健康本。
冒頭で著者が指摘することは、世界には大手製薬会社がたくさんあり、それぞれの製薬会社が次々と画期的な特許を取得して新薬を発売し、その新薬が売れて売上が伸びている、そして薬の効能を医者も認めているのに、なぜ病気はなくならないのか?という素朴な疑問である。

著者は、20代の若さで、ある難病の診断を受ける。どの医者も、今の医学では治癒は難しいというのだ。しかし、その若さで人生を簡単に諦められるわけもなく、彼はある高名な「自然療法士」のところに行く。そこで、自然療法を受けて、本当に病気が治癒してしまうのだ。
そこで著者は悟るのである。医学は、病気を治すように見せて、実は病気を作り出しているのかもしれない、ということである。
そこから彼の「自然療法」の紹介がはじまる。
それらは、実はあっけないほど簡単なものだ。いわく、身体に悪い食べ物は食べない、工業食品は食べない、ファーストフードは食べない、水道水を飲まない、シャワーの塩素は除去する、喫煙しない、睡眠をしっかりとる、電磁波を遠ざける、週末は休養する、ストレスをためない。

評価はナシ。
以下に、理由を述べる。

まず、彼のいう自然療法が、およそ日本人が考える「健康的な生活」の範疇を出るものでないこと。それを超える特殊な情報は「有償のウェブサイトを見よ」となっていること。
情報のなかに、明らかにユダヤ教の教義である「豚肉を食べるな」「ユダヤ教の儀式によって処理された食肉(コーシャー)しか食べるな」「ウロコのない魚と貝類は食べるな」などが含まれていること。
アサリやハマグリ、イカやタコを食べたから人は病気になるもんではない。そんなことになったら、とっくの昔に日本人は絶滅である(笑)

どうも、この本自体がいわゆるオカルトめいた新興宗教の亜流「自然食ビジネス」の一環に見える点が、ちょっとひっかかるのである。

それにつけても。
本書に言う「健康的な生活」が送れなくなってしまっている我々の生活自体が問題なんだろうなぁ。「ストレスのない毎日」なんて、とうぶん夢のまた夢だ。
いや、いっそ現代の産業戦線自体からドロップアウトしてしまえば良いのかもしれないのだけど。
まだまだ、私も欲望が深い人間なんであるなぁ。