Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

右翼と左翼

「右翼と左翼」浅羽通明

浅羽氏は奇才である。天才とか秀才の類でなく、奇才という言葉がよく似合う人だ。

先日、中国で大きな法律改正があった。物権法の改正である。この改正によって、私有財産と国有財産の財産権に区別がなくなった。同時に、農民の土地(中国では、土地はすべて国家のものなので、利用権=日本で言う地上権や借地権、小作権などが対象で、底地権は国家が持つ)の譲渡も認められた。
この法改正によれば、実際的に「資本主義」とほぼ変わらなくなってしまったわけで、長老を中心とした「保守派」は反対投票にまわったという。
言うまでもないが、この場合は「保守派=マルクス主義者」である。改革派=市場主義者ということである。
では、この場合に「右」「左」はいったいどちらかね?

このような、わかったようなわからんような混乱に対して、明快な回答を示してくれるのが本書である。と同時に、実に思いもかけないやり方で、このような「左右対立」のアホらしさを一刀両断にするのである。

評価は☆☆☆。
個人的には大激賞、これぞまさに現代の才人のなしえた「面白い本」である、と思う。

まあ、だいたい、なんだね。
自由と民主主義という奴のかわりに引っ張り出したのが民族と宗教じゃ中世に逆戻り、よく考えてみりゃ宗教指導者ナントカ師の言われるままに自爆テロで爆死しちまう最期を「米帝国主義に対する自由の戦い」だから持ちあげることのオメデタサよ。偉い坊さんの言うことだから、死ねば天国に行けるという教え。それが我々の目指した世界なんだろうかね?だからイデオロギーなんちゅうもんは、基本的にくそったれだと言うんだよ。へん。