「右翼と左翼」浅羽通明。
浅羽氏は奇才である。天才とか秀才の類でなく、奇才という言葉がよく似合う人だ。
先日、中国で大きな法律改正があった。物権法の改正である。この改正によって、私有財産と国有財産の財産権に区別がなくなった。同時に、農民の土地(中国では、土地はすべて国家のものなので、利用権=日本で言う地上権や借地権、小作権などが対象で、底地権は国家が持つ)の譲渡も認められた。
この法改正によれば、実際的に「資本主義」とほぼ変わらなくなってしまったわけで、長老を中心とした「保守派」は反対投票にまわったという。
言うまでもないが、この場合は「保守派=マルクス主義者」である。改革派=市場主義者ということである。
では、この場合に「右」「左」はいったいどちらかね?
この法改正によれば、実際的に「資本主義」とほぼ変わらなくなってしまったわけで、長老を中心とした「保守派」は反対投票にまわったという。
言うまでもないが、この場合は「保守派=マルクス主義者」である。改革派=市場主義者ということである。
では、この場合に「右」「左」はいったいどちらかね?
このような、わかったようなわからんような混乱に対して、明快な回答を示してくれるのが本書である。と同時に、実に思いもかけないやり方で、このような「左右対立」のアホらしさを一刀両断にするのである。
評価は☆☆☆。
個人的には大激賞、これぞまさに現代の才人のなしえた「面白い本」である、と思う。
個人的には大激賞、これぞまさに現代の才人のなしえた「面白い本」である、と思う。