Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

政治とカネ(その2)

私は立派な右翼だと、社会党左派の母親から認定を貰っている身であるが、その母と話していても「軍靴の響きが~!」という話にはならない。

よく「日本の隣国の、どこの国が日本を攻撃するというのですか?」などという話がある。私の回答は「アメリカ」なのだが(笑)だって、アメリカは隣国だよ。間に太平洋があるけどね(笑)
だけど、それはおいといて。

そういう平和ボケ的議論ではなく、もうちょっと辛辣な話をすると
「その軍靴は、いったい誰が買うのですか?」
となる。
だいたい「軍靴の響き」を心配する人は、なぜか外国ではなくて日本の軍隊のことを心配するようである。つまり、「軍靴」は日本の靴のことである。
これは、たいへん「楽観的な」話なのである。

理由を説明する。
昨日、日本の借金が800兆円、一般会計が80兆円で税収が40兆円だと指摘した。小泉政権~安倍政権で多少は状況が改善されていて、80兆円の予算のうち、40兆円が一般支出、残り40兆円が過去の国債の償還と利払いになっている。つまり、税収が40兆円だから、今の一般支出をなんとか税収だけでやりくりして(
注;プライマリーバランス、しかし現状ではまだ若干の赤字)国債の償還(元金の返済)と利払いに新たな国債を発行するスキームとなっている。
それだって、「借金の返済を借金してする」ことに変わりないけど、まあ「生活費」の使い込みがなくなった(注:まだ少しある)だけマシなのである。つまり、小泉政権の前は、さらに借金して一般支出までやっていたわけで、それが地方公共工事になって「格差」を埋めていたということである。
借金を増やさないと埋まらない格差って、なんだかなぁ、と思うのであった。

それはともかくとして。
つまり40兆円の税収に対して800兆円の借金があるわけだから、負債が収入の20倍あることになる。はやりの年収300万円の人が、6000万円の借金があると思えば良い。年収300万円で、6000万円の住宅ローンを組むかどうか、考えていただければ良い。ま、実際にそんな人がいたら生活破綻者だろうなぁ。
それもそのはず、この税収の20倍の借金という数字は、実は大東亜戦争の戦時公債を発行していたときと同じ水準なのである。
わかりやすくいえば、今の日本の財政は、すでに戦時状態なのである。

当たり前の話だが、戦争はカネがかかる。自国でドル紙幣を印刷できるアメリカならいざ知らず、ほかの国は戦費調達でかなり苦労する。
今の日本が、仮に戦争をやろうと考えたとしても、いったいその為に必要な戦費をどこから調達したらいいのだろうか?国民から戦争国債を発行して借りる、または増税する、という策が一般的だが、すでに日本の純資産と負債は同水準まできているから、実は国民から借りる資産はもうないのではないか、という疑念があるわけだ。国民一人一人の数字上ではあることになっているお金は、実は既に使ってしまってない、ということである。実際に、銀行預金をして、その銀行が低金利で運用先がないから国債を買っているわけで、国債を売った政府はその金を使ってしまっている。その金額が800兆円なのだから、もういくばくも実際のカネはないのじゃないか?ということなのだ。
または、外国から借りてきたらいいだろうか?だけど、年収300万円なのに6000万円の住宅ローンを組んだ人が「カネが足りないので貸してくれ」と言ったとして、果たして借りられるものだろうか。

こんな有様なので、「日本がもし欧州にあっても、EU加盟はムリ」なのである。財政がEU加盟基準に満たないからである。
だから改革しなければならないのだが、それを言えば「アメリカの年次改革要望書通りに、国を売り渡してどうする」などと見当外れの言説を弄する人が出てきてしまう。
アメリカは、日本がこのままつぶれては困るので、ごく当たり前のことを指摘してきているだけだ。日本人のカネを吸い上げてしまったのが、別にアメリカではなくて、日本政府そのものである。

「いつかきた道、軍靴の響きが~」と心配する前に。「その軍靴を買うカネは、いったいどこから出てくるんですか?」と言うことである。

何をするにも銭勘定。やれやれの世の中ですなぁ。