Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

卑米派

私は、基本的に「卑米派」である。
「親米」というほど、アメリカを信用できるか?といえば、ノーである。
しかし「反米」を唱えて、またぞろ「独自外交」のあげくに大コケ、気づいたら「アジア解放」が「よけいなお世話」になって呆然、もイヤである。ほっときゃよかったのになあ。そんな身の丈に合わぬことをするもんでない。
よって、大国アメリカ様に「へへ。だんな」と揉み手でお追従、他の国から「なんだ、ありゃ」と呆れられているのがもっとも賢明であるという「卑米」派に落ち着いている。
もちろん、ドラえもんで言えばスネ夫がもっともよい。だってほら、なんだかんだ言ってスネ夫が一番良い暮らしをしているじゃないか(笑)

で、世間で何かとうるさく、とうとう首相まで「進退をかける」と言い出したイラク派兵問題である。
ここで「卑米派」だから、どうせテロ特措法延長に賛成なのだろう、と思ったとしたら、そりゃ甘い。
いいかな、「揉み手でお追従」というのは、それはそれで風向きを読むことに敏であらねばならぬ。それを読み間違えたら、西軍についちゃった豊臣恩顧の大名になってしまうのだ。

で、今もっとも真剣に考えなきゃならんことは、米国の動向である。卑米派の本領発揮だ(笑)。

たしかに、アメリカはイラク派兵に執着しているように見える。日本の海上のガソリンスタンドがそんなに有り難いわけはない。そうではなくて、イラク派兵しているほかの国々(総勢75カ国におよぶ)に与える影響が大だからだ。
日本といえば国際的に有名なアメリカの腰巾着、アメリカがジャイアンなら、スネ夫は日本である。しかも。日本の中東石油に対する依存率は89%に及ぶ。他の国で、そんな国はない。アメリカだって3割もないのだ。誰がどう見ても「もっとも直接的に利益のある腰巾着」が日本である。その日本が抜けたら、これはほかの国々にも影響が及ぶ。俺も俺も、となりかねない。スネ夫変じて小早川秀秋となる。そりゃ、アメリカとしてはナーバスになる。面目まるつぶれだもんな。

しかし、ここで注意しないといけないのは、今「アメリカ」と言ったのは、実はブッシュ共和党でしかない、ということである。このままでいくと、次期大統領選で共和党は大苦戦、民主党に政権が移る可能性が高い。具体的に言えば、ヒラリーかオバマである。
で、二人とも派兵には消極的なのではないか?ま、アフガン派兵を決めたヒラリーがイラクに反対なんて、なんのポリシーもないわけだが(苦笑)もちろん、ジャイアンは何をやっても許されるのだ。

特に、米民主党は、伝統的に反日的傾向があるので、二階にあがった日本のハシゴをはずすくらい朝飯前である。そうなったらたまらん。ジャイアンの後ろ盾がないスネ夫なんて、実に悲惨である(笑)

日本のインテリジェンス(諜報)組織は、なんと対米諜報がないのである。これは馬鹿げた話であって、つまりヒラリーやオバマが、イラク問題についてどうするつもりか、なんの情報もないのと同じだ。「卑米派」としては、非常に問題だと思うな。
もしも小沢民主党が、米民主党と連携して「派兵撤退」の言質をとった上で、特措法延長に反対しているなら、そりゃすごいと思う。というか、湾岸戦争のときに、思う存分従米路線をとった元小沢幹事長としては、それでこそ首尾一貫であろう。そこまでやれないところが、この男のダメさ加減なのだと思うが。下手をすると国際的に孤立するぞ。光栄ある孤立なんて、七つの海を支配した時代の大英帝国ならいざ知らず、今の落日ニッポンごときではまたぞろ戦前の二の舞が関の山だろう。ま、今度は戦費調達すらできんので安心かもしれんが(苦笑)。

爪も弱く牙もなく、アタマも悪い(笑)ウサギは、耳を大きく立てて危険を察知する。アメリカの動向を分析もしないで、協力だの反対だの、いつからそんな偉い国になったんだろう。
我が国の外務省を見てみよ。そんなわけがないじゃないか(苦笑)。

(蛇足)
安倍首相の「撤退発言」に関する「邪推」をひとつ。
安倍首相が進退をかけるのは「拉致問題」しかないと思うな。そう考えると、6カ国協議とイラク特措法が関係があると考えるしかない。
つまり、日本の立場としては「拉致がある限り支援はない」のだが、他の国は日本に「カネを出せ」というだろう。6カ国の中で、日本は孤立する。で、ブッシュが「じゃあ米国が支持してやるから、代わりにイラク派遣を延長してくれ」と言い出したんじゃないかな?
イラクはわかりましたよ。その代わり、北朝鮮にはカネは出しませんよ」
「シンゾー、僕だってわかっているさ。(なに、任期満了まで持てばいいんだ)ギブアンドテイクさ」
そんなことではあるまいか?なんてね。